ニホンオオカミは、明治の初めまで、本州や四国などにかなりの数が生息していた。ところが、その後急減し、明治38年(1905)1月に奈良県東吉野村で捕らえられた若雄のニホンオオカミが日本で最後の捕獲記録となった。
当時、この像(以下写真)のある鷲家口の、宿屋・芳月楼で、イギリスより派遣された東亜動物学探検隊員のアメリカ人マルコム・アンダーソンが、地元の猟師から8円50銭で買い取り、大英博物館の標本になった。
この標本には、採集地ニホン・ホンド・ワシカグチと記録され、動物学上の貴重な資料になっている。
幻のニホンオオカミの剥製標本は、これを含めて世界に六体。
近年、シカやイノシシが異常繁殖しているのは捕食するオオカミが消えてしまったからと言う学者もいる。海外からオオカミをつれて来ようという計画さえある。
日本では、大昔からニホンオオカミは畑や田んぼなどを荒らすイノシシやシカを退治する農耕の守護神として「大口の真神(おおくちのまがみ)」などと称されて崇(あが)められてきた。 オオカミ(狼)と言う名前のもともとの意味は『大神』からきた呼びかたと言われている。
強さの象徴、謎めいた印象で「狼」や「ウルフ」という文字(言葉)がスポーツ界やメディア関係などで多く使われてもいる。オオカミ関係の本もたくさんある、主役、準主役で登場する童話や寓話は少なくとも120話以上。昔の物語になるとたいがいのオオカミは「食っちゃうぞ?」キャラが多い、三匹の子豚しかりオオカミ少年しかり。どちらにしてもこの動物はキャラクターとしての人気は絶大なものがある。
紀伊半島では、大台ケ原や奥瀞峡、十津川峡などでオオカミ情報が多数ありましたが、昭和53年(1978)1月20日の朝、大台ヶ原山系にある三重県多気町車川の山村地帯で、ニホンオオカミの幼獣らしきものが生け捕りにされ、息絶えたあと、解剖、調査された。
キツネの特徴を多く備えているが、キツネとは明らかに異なる点が三つあった。足の裏がキツネより細長く、爪が上向き。足指の間で水かき状の膜が筋肉化してついている。腹筋や四肢の筋肉が非常に発達していて、イヌよりも三倍も速く走る能力、三倍もジャンプする跳躍力を持っている。キツネと比べて、生殖器の睾丸や恥骨の位置が異なっているなどである。
キツネの突然変異、イヌとキツネの交配種、山犬説など諸説あがりましたが、いずれも定かではないようです。
日本オオカミ像がある奈良県東吉野村小川は、最後のオオカミが捕まった鷲家口から5?ほど西で、役場などがある村の中心から高見川を少し下った山あいで、旧伊勢街道(三重県側では和歌山街道)沿いの高見川の川辺になる場所で四季それぞれの楽しみを見つけられる秘境です。昔の人たちも旅の不安と楽しみを感じながら通り過ぎたことでしょう。
春は山桜、夏は清流、秋は紅葉、冬は樹氷と自然が満喫できるうえに、夏は鮎、あまごなど天然ものが味わえます。ぜひ訪れてみてください。
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