多気町長谷の和歌山別街道から上った城山に近長谷寺(きんちょうこくじ)があります。千年以上の歴史を誇る古刹で、885年に地元の豪族「飯高宿禰諸氏」が建立した光明寺が始まりで、1690年の大雨洪水で仏閣が残らず破損したため、1694年現在の本堂が快舜によって再建され「近長谷寺」と改称されたようです。屋根は、昭和になって改修されています。
近長谷寺には、丹生山という名がついていて、隣の丹生大師といわれる神宮寺の管理下に置かれています。
御本尊十一面観音は、奈良の長谷寺、鎌倉の長谷寺とともに「日本三観音(三体の仏像を一本の樟から造られたものと伝えられている)」のひとつとして広く知られ、全国に二百ヶ寺以上あるといわれる大和長谷型観音に属するもので、なかでも右手に錫杖を添える姿は、日本唯一のものです。高さは、6.60メートル。
1月18日は、初観音会で開帳していましたが、毎月の例祭である18日と土、日以外は、閉っていますのでくれぐれもご注意ください。なんせ駐車場から急な道を苦労して上がってきてこの十一面観音を拝めないのはさみしい限りと思います。
二月十八日は、例大祭で厄除け祈祷、護摩法要などを行い、交通安全、学業、開運などの祈願をしに大勢の方が上ってこられます。現在、本堂前は改修中ですので、狭くなっています。
険しい山道なので、歩きやすい靴にしてださい。昇り口には、親切に杖が置いてありますので、遠慮せずに使って少しでも楽にお参りしましょう。帰り道は、下り坂なので滑って転んだりしないように十分気を付けてください。巡礼の道は平たんばかりではないですね。
長谷地区には、珍しい車田があります。「車田」は、文字どおり車の車輪のように円形の水田で、地域おこしの一環として5年ほど前から行われるようになったそうです。また、大きさについも「近長谷寺」の十一面観音様にちなんで、半径11メートルとしたところにもこだわりがあるようです。
現在の全国では「車田」は、新潟県佐渡(国・無形文化財)と岐阜県高山市(市・無形文化財)にしか残っておらず、車状に植えるのは、豊作の神が降りてくる目印とも、恵みの太陽を表すともいわれています。
この長谷の車田で取れたお米(かぐら餅)は、数キロ離れた手力男命(たぢからおのみこと)を祀る佐那神社へ献上されるほか、地元「近長谷寺」の春季大会式(2月18日)の厄払い餅投げの餅米として献上されていますので、来月の18日は餅拾いに参加しましょう。
近長谷寺から下ってきて、集落の入り口には山の神さまが地元の方たちによってきれいにお祀りされていました。なごみますね!
この里山の長谷は、隠れたパワースポットとして紹介したいところです。
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