奈良県宇陀郡御杖村にある御杖神社は、倭姫命が垂仁天皇の勅により天照大神の御杖代となり鎭座の地を求めて、諸国を巡幸されたとき、この地に三ケ月間滞在され、遷宮の候補地として、持っていた杖をしるしに置いて行かれたのをお祀りされています。
御杖神社の祭神は、久那斗神・八街比古神・八街比女神
久那斗神(くなどのかみ)は、伊弉諾尊が黄泉から出で給いて筑紫の日向の橘小戸の阿波岐原で御禊をされたときに投げ捨てた杖からお生れになった道饗祭(みちあえのみまつり)の主神です。この久那斗神と共に境界を守護する八街比古神(やちまたひこのかみ)と八街比女神(やちまたひめのかみ)の三座をお祀りしています。
「久那斗」とは杖の義で、久那斗神は道路や巷(物事の別れ目)に在って、悪や禍を寄立ちて遮り、『此の処より来る事勿れ。』と防ぎ止め、行路を安全に守護するとともに、人生の守護をしてくださることから、人生守護の神様です。
「八街」とは辻の義で、八街二神は国引き・地引きの要に在って、悪や禍を塞ぎ護る要塞、厄除けの神様です。
御杖神社の祭神三座は、古来、鬼・疫病神が都や神域に入るを防ぎ止めて宮中・神宮を守護するために境界四方で行われていた道饗祭の神々であり、当地は伊勢神宮との関係が深く、また、国境の地であることから往昔の道饗祭が行われていた。
神社拝殿にあった案内文の縁起によると・・・当社は、延喜式神明帳(927年)の大和國宇陀郡17座の神社で、式内社の格を有する古社である。
第11代垂仁天皇の勅命により、天照大御神の御杖代(大御神を祀り、大御神の言葉を取り次ぐ斎宮)となられた皇女倭姫命は、大和國笠縫邑より神慮に叶うべき新たな宮地を求められ、道中この地に行宮を造り御休座になられた処と伝承されています。
当社では倭姫命の杖(神に占有され掌握の境域を画する玉杖)をお祀りするところから、御杖村の村名が付けられました、
天照大御神は伊勢に遷宮されましたが、故を以て神末村は伊勢神宮の神戸と定められ、明治初期まで五石五斗の貢米を奉献していました。社殿は、天文15年争乱のため荒廃したが、天文23年(1554年)に造営した、以後、社殿の造営を繰り返し行って、多数の棟札を現在に残しています、慶長18年(1613年)の頃には近隣32ヶ村の郷社となり、明治6年には奈良県から奥宇陀22ヶ村の郷社と定められました。
拝殿両側のご神木は、「上津江杉」といわれていて、樹齢600年、室町3代将軍足利義満公の御世と伝えられています。
神社のある奈良県宇陀郡御杖村神末(こうずえ)は、北は三重県名張市、東は三重県津市美杉町、、南は三重県松阪市飯高町に接しており、中世には伊賀国に属していたようで、社蔵の棟札、天文二十三年(1554年)のものに伊賀国名張上津江之宮とあります。慶長十八・九年(1613-4年)頃に伊賀国名張郡から大和国宇陀郡に編入されたと考えられます。神末の地名は、昔は神杖と書かれていたようです。御縁がないと行くことがない神社の一つのように思います。いにしえの世を思いお出かけください。
大きな地図で
癒しの旅、歴史散策、神社スポット、寺院スポット、巡礼の旅、グルメな旅
ヒーリングツァー http://healingtour.jp
三重県松阪市白粉町357-5
TEL 0598-23-0663 FAX 0598-23-0664
癒しの旅について等、お問い合わせありましたらお気軽にご連絡ください。 highlandybb@ybb.ne.jp TEL 0598-23-0663
★☆★☆大きい写真のブログも見てください・・・
http://healingtour.blog116.fc2.com/