三重県多気郡明和町にある斎宮歴史博物館は、昭和45年(1970)、大規模宅地造成計画に伴う事前発掘調査で、明和町竹川と、その東に接する斎宮の地が、「幻の宮」といわれた斎宮の跡地であることが判明、宅地造成は中止されました。その後も発掘調査は継続的に進められ(現在も継続中)、昭和54年には一帯の約137ヘクタール(東西約2キロメートル、南北約0.7キロメートル)が国指定史跡に。
三重県立斎宮歴史博物館は、この史跡の一角に平成元年(1989)開館。全国でも珍しい、遺跡と連動した県立のテーマ博物館です。
斎宮は伊勢神宮を考える上で不可欠な存在である。「幻の宮」と呼ばれたその遺跡が今、現実の中にその姿を現しつつある。そんな平安時代の遺跡と直に接することができて、しかも博物館でその調査成果の展示をも見ることができる所など、滅多にあるものではない。平安京にも平泉にも、このように遺跡と連動した府県立の博物館は、ありません。
伊勢志摩に来る観光客が、年間800万人ともいわれるのに、この博物館を訪れる人は、ごく少数です。この斎宮に来てもっと歴史にロマンを感じていただきたいと願っています。
竹の都とよばれた斎宮。それは、天皇に代わり、伊勢神宮の天照大神に仕える斎王の住まう所であった。そこは碁盤の目状に道路が走り、木々が植えられ、伊勢神宮の社殿と同じく清楚な建物が100棟以上も建ち並ぶ整然とした都市で、そこには斎宮寮を運営する官人や斎王に仕える女官、雑用係などあわせて500人以上もの人々が起居し、当時の地方都市としては『遠の朝廷(とおのみかど)』と呼ばれた九州の太宰府に次ぐ規模を持っていたのである。また、斎王を中心とした都市であることから、斎宮では貝合や和歌など都ぶりな遊びが催された。また、都との往来もあり、近隣の国からさまざまな物資が集まるこの地方の文化の拠点でもあったと考えられる。
斎宮歴史博物館は、日本の古色・梅ネズミ色の外観。エントランスから展示室にかけての天井にはアコヤ貝をスライスした装飾が施されている。
展示室1では、文字(文物)から斎宮を、展示室2では、もの(発掘品)からわかる斎宮をテーマにしている。展示室1の奥壁には原寸大の斎王の居室を復元。歴代斎王や歴史はパネル展示で。群行の様子もミニチュアで再現されている。展示室2では発掘品を展示。斎宮跡の航空写真からはスケール感が伝わってくる。またCGを駆使して立体的・視覚的にこれまでの研究成果を紹介する。
大型3面マルチスクリーンによる映像は、3種類ありどれも見逃せない。「今よみがえる幻の宮」では斎宮の誕生から終焉までを幻想的に描く。勅使訪問などの様子は言葉使い、背景の時代考証は忠実に。平安時代の口調はいたくのんびりで、たどたどしい。
近鉄、斎宮駅のそばに平成8年「いつきのみや歴史体験館」がオープンして、国史跡斎宮跡の案内機能を果たすために、斎宮のあらましや発掘成果のパネル、発掘調査の速報コーナーなどが設けられており、斎宮の歴史や発掘の概要を知ることできます。あわせて、斎宮の最盛期であった平安時代の歴史や文化、技術を実感することができる様々な体験プログラムに参加することができます。
十二単(じゅうにひとえ)や直衣(のうし)の試着体験を毎日おこなっているほか、天皇や斎王の乗り物であった葱華輦(そうかれん)に乗ってみたり、盤双六(ばんすごろく)や貝覆い(かいおおい)などの古代の遊びに挑戦することができます。
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