2020年度「千萬の令(深蒸し煎茶)」の新茶ができました!
当店の看板茶で、今年「伊勢のほまれ」とともに特許庁から商標登録証を授与された唯一無二の逸品茶。
今年の特徴は…「非常に甘みが強い!」ですよ。
5月23日には先行販売させていただきました。
例年通り2019年物(熟成茶)もご用意しおりますので、購入時にどちらかお伝えください。
「千萬の令」の仕上げ加工は晴天の日(低湿度)に、非常に繊細に時間をかけて自ら行います。
仕上げ加工は茶農家さんが加工していただいた荒茶を、まず全ての部位に分けることからは始まります。葉、芽先、茎、表皮や葉脈、古葉…、特に時間をかけるのが粉といわれる部分。深蒸しのため、この粉の中に旨みの一番強い芽先や葉の欠片が多く混じっており、どれだけ効率よく取り出せるか、それで「千萬の令」の風味が決まります。
そしてその後の火入れ(焙煎)も、その年の茶葉の育ち方によって温度などを毎年変えています。そのための茶園での観察を欠かせません。
深蒸し煎茶の「深蒸し」とは、「長時間蒸し」という事。
もともと刈り取ったばかりの生葉は、すぐに萎凋(酸化発酵)を始めます。そのまま放置しておくとウーロン茶に変わり、さらに最終的には紅茶に変化していきます。
その萎凋を防ぐためにすぐに蒸して酸化発酵を止めるのですが、その時の蒸し時間によって大きく茶葉の形状や水色、そして風味が大きく変わってきます。
■普通蒸し:30~60秒
■深蒸し :60~120秒
■特上蒸し:120秒以上
(極蒸し)
この千萬の令は、深蒸し以上の極蒸し製法です。
松阪市飯南町は内陸の山間部にあるため一日の日射量が平野部より少なく、清流・櫛田川が流れておりその朝霧が天然の覆いとなり潤いを与えながら、さらに太陽の日差しを和らげます。適度な雨量があり、一日の中での寒暖差が大きいのも特徴です。
その大自然の恵みが、葉肉に厚みのあるふっくらとした生葉をゆっくりと育みます。
その逞しい生葉を蒸して、内部の細胞を破壊し成分を浸出し易くするため、この深蒸し以上の蒸し方を伝承しています。
「極蒸し」にすると茶葉は非常に細かくなりますが、渋みが少なくなりまろやかに、そして深緑色のお茶に旨みや甘みが多く溶け出します。茶葉の細胞が通常のお茶より破壊されているため、本来溶け出さない茶葉の栄養成分までお茶に含まれるようになり、飲むことができるのです。
特にビタミンCはレモンの約5倍も含まれており、水溶性で水に溶け出しやすいので、「お茶を飲むことはビタミンC摂取になる」ということが理に敵っていると言えます。
カテキンとビタミンC両方が摂取できることから、抗ウィルス作用があるとされています。
これからの季節は65℃くらいの温度で、夏場は水出しでお飲みください!