紀三井寺の大観音様


  2002年建立の新仏殿には、高さ12メートルの大千手十一面観世音菩薩像が2007年に完成し安置されています。

  この観音像は、仏師、松本明慶の京都の工房で制作した寄木造の像を現地で組み上げたものです。耐震性を考慮して、内部には鉄製の心棒を立て、枠木で像を固定されています。

  松本明慶師は、1999年には鹿児島県最福寺に世界最大級の木造仏・大辨財天を完成させて話題となった人で、京都市上京区に松本明慶佛像彫刻美術館があります。

  松本仏師は、大震災で心の傷を受けた多くの人達のために、弟子達とともに仏様を彫ることで癒してあげたいと願っているようです。
 

  仏は個々人の心の中におられ、仏像や位牌が無くてもそういう気持ちで手を合わせれば良いのであるが、何もない場所で手を合わせるということは長続きしないものですが、仏像にしても仏壇にしてもあった方が手を合わせたくなる物です。

  新仏殿は、1階・2階部分は納骨壇となっていますが、3階部分はテラスのようになっており、紀三井寺の境内はもちろん、和歌浦湾まで見晴らせる絶景ポイントです。また、大きな丸窓から御本尊の顔が目の前に見えるのがすごくいいです。

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第2番、紀三井寺


  西国三十三所めぐりは、近畿2府4県と岐阜県に点在する33か所の観音信仰の霊場をめぐる巡礼行で、現在も多くの参拝者が訪れています。

  第2番目の札所は、和歌山市の紀三井寺です。

  朱色の楼門をくぐると、231段の急な階段を登って境内へと向かいます。

  参詣者泣かせの急坂ですが、この坂を江戸時代の豪商、紀ノ国屋文左衛門の出世にちなんで結縁坂(けちえんざか)と呼ばれています。
 紀州に生まれ育った貧しいが孝心篤い青年だった文左衛門は、ある日、母を背負って紀三井寺の表坂を登り、観音様にお詣りしておりましたところ、草履の鼻緒が切れてしまいました。そこで、 困っていた彼の鼻緒をすげ替えてくれたのが、和歌浦湾に面して紀三井寺の真向かいにある玉津島神社の宮司の娘「おかよ」という娘さんでした。

  文左衛門とおかよの間に恋が芽生え、二人は結ばれ、生計のために義父の出資金で船を仕立て、蜜柑と材木を江戸へ送って商売を始めました。

  紀州のサクセスストリーを伝えるこの逸話が、商売繁盛、良縁成就の結縁坂として参拝者への坂のぼりの元気をくださっています。

  紀三井寺の正式名は、紀三井山金剛宝寺護国院。8世紀に唐僧の為光が名草山で金色の千手観音を感得し、自ら彫った観音像を安置したのが寺の縁起で、名草山に三つの霊泉があることから紀三井山という山号になりました。

  後白河法皇が紀三井寺を勅願所と定められて以後隆盛を極め、鎌倉時代には五百人を越える僧侶がいたと伝えられています。江戸時代は、紀州徳川家が治めるようになり歴代藩主が頻繁に来山し、「紀州祈祷大道場」として参拝されました。

  室町時代の建築である鮮やかな朱色の多宝塔は、国の重要文化財です。

  紀三井寺の寺名のもととなったとされる「清浄水」「楊柳水」「吉祥水」の3つの湧き水が、紀三井寺の三井水として名水百選になっています。

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二見夫婦岩表参道とお雛さま


  海からの日の出を見る有名スポットの二見夫婦岩は、冬の期間は、日が昇るのが山に方になります。岩の間と海からの日の出のおすすめは、夏至の頃です。

  古来より日の出遥拝所として知られている夫婦岩の沖合660mの海中には、猿田彦大神ゆかりの霊石「興玉神石」があり、夫婦岩はその鳥居とされています。
両岩を結ぶ大注連縄(だいちゅうれんなわ)の長さは35m。男岩に16m、女岩に10m巻かれていて、その間は9mあります。

  「おひなさまめぐりin二見」が今年も伊勢市二見町の夫婦岩表参道を中心とした町中で開催されています。

  明治20年(1887)に建てられた賓日館は、宿泊・休憩所として皇族や各界要人を迎えてきた二見のランドマークです。現在は、国の重要文化財として公開されていますが、ここで江戸中期から最新のお雛様まで約1500体を展示されています。

  真珠雛、神木雛、吉浜人形最新作、こども部屋では「お菓子の国の蛙雛、お雛様の富士登山と合唱団、十二単衣の展示されています。
   
日時  3月9日まで 9時00分~17時00分(最終入館16時30分) 大人300円

     

  二見生涯学習センターは、おひなさまめぐり in 二見の拠点で、今年も巨大雛壇がお出迎えしてくれます! 入場無料です。

  高泉庵住職による「絵手紙展」、第7回「おひなさまめぐり写真展」、アトリエ未来「華の饗宴おひなさまめぐりin二見」、ひな祭り豆知識展も開催!

  コメントがあって楽しいです!(^^)! お雛さまクイズのはまりますよ。

  外にある二見興玉神社にちなんだカエルの巨大雛がかわいいと人気!

  生涯学習センターの近所には、赤福餅と御福餅がありますが、おすすめは、すぐ隣で素朴な味を今も伝える絶品と評判の旭家の酒素饅頭。

  ほんのりお酒が香りがして皮はけっこう厚めでモチモチ感があり、中身の粒あんがしっかりしているので、しみじみ美味しくいただけます!

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熊野速玉大社と神倉神社


  和歌山県新宮市の熊野速玉大社は、熊野三山のひとつで、朱色に輝く社殿が眩しく印象的です。熊野速玉大神が主神になっています。

  神門のなかに入ると、朱塗りの瑞垣。その向こうにやはり朱塗りの社殿が横に5棟並んでいます。現在の社殿は昭和に再建されたもので、向かって左から第一殿(結宮、熊野結大神の二社)、第二殿に主神の熊野速玉大神が祀られております。摂社の奥御前三神殿、第三殿・第四殿・神倉宮の三社相殿(あいどの)、第五殿から第十二殿までの八社相殿と5棟、並んで祀られています。

  平安末期に熊野三山造営奉行を務めた平重盛(清盛の嫡男)の手植えと伝えられている「ナギ」は、日本最大級で、樹齢はおよそ千年といわれ国の天然記念物に指定されている速玉大社のご神木です。

  ナギの葉は、笠などにかざすことで魔除けとなり、熊野から京への帰る道中を守護してくれるものと信じられていました。
 ナギの丈夫さにあやかって男女の縁が切れないようにと女性が葉を鏡の裏に入れる習俗があったそうで、今でもご縁が切れないようにとお守りにされています。

  速玉大社の社伝によると、以前は神倉山にまつられていた神々を景行天皇(1世紀)の時代にいまの場所にうつし、それが「新宮」の名のおこりになったといわれます。

  神倉神社は、538段の急な階段を上った山の中腹にあるゴトビキ岩を御神体としてます。熊野信仰は、自然崇拝と古密教、修験道、浄土信仰が混淆としていますが、ここの霊験は、神の気配を感じさせる自然景観のなかにあって「聖地」というにふさわしいところです。

  源頼朝が寄進したといわれる538段の鎌倉積み石段に足がすくむ人もいます。

  毎年2月6日夜に行われる神倉神社の例祭では、古代以来の熊野山伏の伝統をもつ白装束に荒縄を締め、ご神火を移した松明をもって、神倉山の山頂から急な石段をかけおりる男の火祭りがおこなわれます。
  火の洗礼を受けるものとして始められたお燈祭りは、炎の奔流が闇に火の斑を撒いて躍動し、その壮観さは、新宮節にも唄われているとおり「お燈まつりは男のまつり山は火の滝、下り竜」。昭和39年5月、県の無形民俗文化財に指定されました。

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平安時代をしのぶ斎宮


  竹の都とよばれた斎宮は、平安時代に天皇に代わり、伊勢神宮の天照大神に仕える斎王の住まう所でした。そこは碁盤の目状に道路が走り、木々が植えられ、伊勢神宮の社殿と同じく清楚な建物が100棟以上も建ち並ぶ整然とした都市で、そこには斎宮寮を運営する官人や斎王に仕える女官、雑用係などあわせて500人以上もの人々が起居し、当時の地方都市としては『遠の朝廷(とおのみかど)』と呼ばれた九州の太宰府に次ぐ規模を持っていたのです。

  斎宮歴史博物館は、文字(文物)やもの(発掘品)から斎宮をテーマにしていて、原寸大の斎王の居室を復元したり、歴代斎王の歴史をパネル展示して、京からの群行の様子もミニチュアで再現されています。

  「いつきのみや歴史体験館」は、国史跡斎宮跡の案内機能を果たすために、斎宮のあらましや発掘成果のパネル、発掘調査の速報コーナーなどが設けられており、斎宮の歴史や発掘の概要を知ることできます。あわせて、斎宮の最盛期であった平安時代の歴史や文化、技術を実感することができる様々な体験プログラムに参加することができます。

  十二単(じゅうにひとえ)や直衣(のうし)の試着体験を毎日おこなっているほか、天皇や斎王の乗り物であった葱華輦(そうかれん)に乗ってみたり、盤双六(ばんすごろく)や貝覆い(かいおおい)などの古代の遊びに挑戦することができます。

  女房装束の代表格・十二単は、成人女性の正装で、 宮中などの公の場所で晴れの装いとして着用されました。記念写真を撮れるので、思い出になります。

  この時期は、優雅な平安絵巻の時代のひな人形が飾られていて、見ごたえあります。

  葱華輦(そうかれん)は、天皇、皇后と斎王だけが乗ることができました。

  斎宮制度は伝説の時代を除くと、天武天皇(てんむてんのう)皇女・大来皇女(おおくのひめみこ)から始まって南北朝に廃れるまでの約660年間続いたそうです。
 天皇の代替わりがあると伊勢の斎王も交代します。斎王は皇族の未婚の姫(天皇の娘とは限りません)の中から占いで選ばれました。

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