多岐原神社の氣


  皇大神宮(内宮)の摂社である多岐原神社は、すぐ下を清流の宮川が流れていて、自然豊かな静かな場所に鎮座しています。

  第11代垂仁天皇の皇女、倭姫命が、御杖代として天照坐皇大御神を奉戴して、宮川下流の磯宮を発ち、上流の方に御鎮座の地を求めて行くと、砂をも流す急流の瀬があり困っていた時、真奈胡神が出迎え、ご案内して無事にお渡しすることができました。そこで倭姫命は、そのところに真奈胡神をまつる御瀬社を祀ったと伝えられています。


 お社のまわりには巨木があり、とてもさわやかな気持ちにさせてくれます。

  社のそばのご神木は、ヒノキのようです。境内や参道はきれいに整備と掃除がされています。地元の方たちが大切にされていることがわかります。

  摂社ではありますが、伊勢神宮ゆかりがあるだけに、式年遷宮が行われるようです。社の隣に新敷地があります。瀧原宮が管理されていて、神官さんがお参りに来られているそうです。

  社前を旧熊野街道が通り、その道を150m程で宮川の三瀬の渡しに出ます。昔から人の往来があって、旅人達は、道中の安全や願い事をしてお参りしていったことでしょう。

  境内のモミジが赤く色ずき巨木とのコントラストが何とも言えずありがたい気持ちにさせてくれました。現在の多岐原神社は、寛文3年(1663)、大宮司大中臣精長によって再建されたと文献にありますので、350年の時を経ても新鮮な感じのする神社です。

 神社から宮川を挟んだ向かいにある尖った山が印象的です。「ごうど山」

   すぐそばを高速道路の「紀勢道」が通っていて橋が見えます。

  昔の旅人は、お伊勢さんから熊野詣でに行くため、宮川を渡し船に乗り、多岐原神社にお参りしてこの先の三瀬坂峠を越えて、瀧原宮そして熊野へ参拝をしました。

  今もハイキングで熊野古道を歩く方がたくさんいらっしゃいますので、親切に案内板が立てあります。

  昔の旅は、命がけといわれますが本当に大変だったとつくづく思います。

 神様をお祀りするところは、何所も気がいいですね。この多岐原神社のあるところは山に囲まれ、川が流れるとっておきの場所です。本当いい気分にさせてくれます。

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松阪牛発祥地物語


  松阪市飯南町深野に「松阪牛発祥地」の碑が立っています。この地区には、櫛田川の流れに沿うように松阪と吉野、和歌山を結ぶ和歌山街道(伊勢街道)が整備され人々や交通の往来が昔から多くありました。
 松阪牛のルーツは、江戸時代に但馬地方から紀州の農村に連れて来られ、農耕用に調教された牛たちなんです。その紀州地方で成長した後に松阪地方へと入って来たのが、松阪牛の発祥といわれています。
 この牛は松阪近辺では「新牛」と呼ばれ、おとなしくて働き者だったため、農家に大切に扱われていました。

  深野は
山紫水明・人心豊かな土地柄なれども
耕地に恵まれず,古くから
木地・蚕・和紙 等を
生計の一助としてきましたが
近代の文明開化・西欧食文化の変遷を
先取りした先駆者の指導により
邑(むら)を挙げて,和牛肥育と販路の拡大に
誠意を尽くしてきました。
今では,世界のブランド
「松阪牛発祥の地」
      として,有名であります。


  黒船がやってきて、開国されて、明治になると欧米文化の広がりによって、牛肉の需要が激増して、日本人にも普及し始めました。
 松阪においてもそれまで「農耕用」であった牛たちが、「食肉用」に注目されることになり、農耕に3年程度使い働いた後に「野上がり牛」として1年間食べるための肥育した牛を「食肉(太牛)」として供給しはじめます。


  

  松阪牛の発祥地といわれる深野上郷地区は、白猪山の麓にあり、急な斜面に家々と田んぼや畑がひろがるところです。道が狭くて自動車が上っていけなかった時代に、農家のほとんどが農作業の為に牛を飼っており、軽トラックの代わりとして牛が重い荷車を引いて細い道を登っていました。

  今でも道が狭くて大型車は上がっていけません。山の斜面を利用した田圃は、小さくて段になっているので、田植えや稲刈りにご苦労が多いようです。
 しかし、景観は素晴らしくて、「深野だんだん田」として日本棚田百選にも選ばれているのです。

  集落全体が石積みの上に作られた本当に美しい地域です。山と谷川とともに自然をまじかに感じられ、勾配があるので体力アップと心を癒せる散歩コースですね。


  明治の鹿鳴館時代になると「牛肉を食す」ことは、「散切り頭」とともに文明開化のシンボルとなり、東京で「牛鍋(現在のすき焼き)」が大流行しました。
 松阪で和田金さんが鋤焼き(寿き焼)を始めたのは明治16年で、材料は「牛肉」「ネギ」のみを鉄鍋で焼き、味噌仕立てで食べていたそうです。
 

  松阪牛を東京や全国に広めたのは、明治5年から二十数年間続けられた「牛追い道中」と呼ばれる大行進で、ひとつのPRイベントだったのものです。
 これは、汽車もトラックもない時代に松阪の牛を集め、徒歩で一路、東京を目指し行進したことが全国からスポットを浴び、松阪牛の名前が広がることになりました。


  鉄道が整備されると、松阪駅に集められた牛を貨車に載せ 東京市場へ出荷され、「鹿鳴館」や「高級料理店」などからの特注が相次ぎ、その品質が認められていきました。今では、世界からも賞賛を受けるようになった松阪牛ですね。
  きっかけは、1935年(昭和10年)に東京芝浦市場で開かれた「全国肉用牛畜産博覧会」で最高の名誉を獲得し、全国に最高級肉牛「松阪牛」として名声を広めたといわれています。そして、80年近く女王の座に君臨し続ける品質は、関係者のご努力の賜物と絶賛です。

  松阪肉の「芸術的な霜降り」「肉質(柔らかさ)」「脂肪分の甘味、風味」は、厳選された飼料に食欲増進のためにビールを与えたり、血行、毛並みを良くし皮下脂肪を綺麗に付けるため、焼酎マッサージをしたりして愛情たっぷりで長期肥育し、行き届いた管理があってこそ生まれます。

  全国の方に、この松阪牛の里を見て、そして味わって感動していっていただきたく思います。


誰も教えてくれない神社参拝のマナー


  年の瀬を迎え、年越し参りや初詣にお出かけになることが多くなると思います。礼儀作法を重んじる方と、そうでない方がいらっしゃいますが、せっかく幸せの門の前に立っているのですから、神社での最低限の礼儀、マナーやルールをよく知っていただき、大きなご利益やパワーを得て、開運されることを願っております。

  会社や自宅に挨拶もせずにいきなり来て『今年こそ商売繁盛、家内安全でありますように!』だとか、『神様、この願いを叶えて!』なんて言われたらどうでしょうか。
 神様は怒りはしませんが、礼儀やルールを守らない人には何事も無かった様に無視します。
 鳥居から先は、神域で神様のいらっしゃる神聖な場所です。深く一礼をしてから入りましょう。鳥居があるところでは、一礼をしてから進みましょう。帰りは、最後の鳥居で、深く一礼をしてください。

  参道を進む時は、参道の中央を進んではいけません。参道の中央は「正中」といい、神様が通る道なので、我々が通るところではないので端を歩くようにしましょう。
 神社は、観光地ではありませんから、大きな声を出したりお喋りしたりせず、静かに内観しながら歩くことをおすすめします。

 心身を清める禊ぎの意味がある手水舎での作法について覚えてください。
1.まず御手水舎前で軽い一礼をします。

2.次に柄杓に水を汲むのですが、ほとんどの方がザバザバ何度も汲んで行っていますが、作法としては全ての動作を一回分 の水で行うので、たっぷりと汲んでください。

3.まず柄杓を右手に持ち、左手を清める。

4.次に柄杓を左手に持ち替え、右手を清める。

5.再度右手に柄杓を持ち替え、柄杓から左手のひらに水を溜めて、その水で口を軽くすすいで口を清める。

6.すすいだ後、再び左手を清める。

*なかには柄杓に口を付けて行う方がいらっしゃいますが迷惑なのでやめましょう。

7.最後に柄杓の持っていた柄の部分を清めるために、柄杓を垂直に立てて残りの水を流し、手とともに柄の部分を
清め、丁重に柄杓を戻して一礼します。



  私たちは、普段目には見えない自分についた「罪・穢れ」を祓うために手や口を洗うのです。崇高な神様のおそばへ行かせていただくのですから、少しでも清めてから神様にご挨拶をしましょう。

  正宮へ着いたら、神様に参拝します。まず、軽く一礼して、鈴があれば力強く鳴らしましょう。神様に自分が来たことをこれで知らせるわけです。次に、お賽銭を入れるのですが、お金を投げつけるようなことがあってはいけませんので、静かにおくように入れます。
 すべての基本は『感謝』なのです。そして「二拝二拍手一拝」を行います。

  拝殿前で神様に手を合わせるときは、ど真ん中での参拝はできれば避けたいものです。神さまが通られる参道の真ん中を歩かないことと同じですね。


  ◆二拝
神様の前に立ちここに参らせていただけたことへの感謝を込めて行います。  
 神前に向かって、最敬礼を二回行います。背中を平らにして、腰を90度折ります。

◆二拍手
神様に出てきていただきます。
 自分の住所と名前を告げます。(自分がどこの誰だか神様に知っていただくためです。神様といえども、どこの誰だか分からない人物には対処のしようがないのです。神様は、とても人間的なところがあるようです。)
 両手を胸の高さで合わせ、肩幅程度に両手を開いて、拍手を二回打つ。両手をあわせ、揃えて祈念をこめてから手を下ろします。

◆一拝
最後に深くおじぎをします。
「では、失礼します。●●神社の神々の皆様もお幸せであられますように」心の中で願いましょう。本殿をあとにする時に、もう一度深く頭を下げます。

  私たちが生きているのはすべて神様のおかげです。

家があること、家族がいること、仕事があること、健康であることなど、すべて偶然ではありません。こうした感謝をせずにお願い事だけを神様に伝えることは神様に失礼にあたります。

神さまが喜ばれる参拝は、感謝と「世のため人のため神さまのためにがんばります」という誓いです。努力と実践の誓いが大切です。


  柏手をパンパンと両手を合わせる動作は陰陽を調和させ、自分自身と森羅万象が一体になる事を意味していますが、出雲大社と宇佐神宮は四拍手であったり神社によって作法が違う場合があります。

  年初めは大きな神社へ参拝に行く方も多いですが、まずはあなたの住んでいる地域を守る氏神様の神社へ行ってご挨拶をするようにしましょう。
  今年の残り少ない日々を無事平穏に過ごされ、来る年が平和で健やかな1年でありますことを心からお祈り申し上げます。

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瀧原宮の晩秋


  瀧原宮は、第11代垂仁天皇の皇女倭姫命が、天照坐皇大御神(天照大神)を祀る地を探すために各地を訪れた際、「大河の瀧原の国」という美しい場所があったのでそこに新宮を建てたと言われるところです。

  皇大神宮の別宮として高い格式がありますが、参拝する人はまばらで、静かに心穏やかにお参りできるのがいいです。宮域が44haと広く、後ろに山があり南面を向いていて、中を東西に川が流れていますので、皇大神宮のモデルになった形状だと言われています。

  一の鳥居からこんもりした森の中を100mほど行くと、橋があり、斎館へと続きます。神宮杉の樹齢は、200年以上のものが多く大自然が残る神域の気は素晴らしいです。


  さらに100mほど進むと、瑞垣と玉垣をめぐらす正殿が並んで建っていて、奥の方が滝原宮、手前が滝原竝宮で、ともに天照坐皇大御神の御魂をおまつりしており、瀧原宮はその和御魂、瀧原竝宮は荒御魂が祀られています。磯部の伊雑宮とともに、古くから皇大神宮の遙宮と称せられて尊ばれています。

             お参りするのは、先に瀧原宮からです。

            次に、手前に戻って瀧原竝宮にお参りします。

  両別宮の本殿は内宮に準じ、内削ぎの千木と、偶数の6本の鰹木を持つ神明作りで、萱葺である。本殿周囲には瑞垣と玉垣が配され、御垣にはそれぞれの門があり、同等とされています。

  瀧原宮の境内には、所管社が3社あり、若宮神社(わかみやじんじゃ)、長由介神社(ながゆけじんじゃ)、川島神社(かわしまじんじゃ、長由介神社同座)です。

  若宮神社には神体を入れる御船代を納める御船倉が併設されていますが、御船倉を持つ別宮は瀧原宮のみです。

  天照大神を過去に祀っていた場所を元伊勢と呼ぶが、別宮とされたのは瀧原宮だけです。宿衛屋でお札やお守りが受けられ、ご朱印もいただけます。


  背の高い杉の木とモミジの紅葉の鮮やかさにしばし立ち止まります。

  清らかな流れの頓登川(とんどがわ)の水で手を洗い口をすすいで参拝することをお勧めします。マイナスイオンいっぱいな感じ!

  神氣が強く感じることのできる瀧原宮で、悠遠のパワーを受けてください。

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相津峠 感謝の丘


  松阪市飯南町相津と大台町三瀬谷を結ぶ県道710号線の最高点になる相津峠には、開通記念碑や東屋(休憩舎)、願い地蔵と日本にここだけと書かれた「感謝の丘」という公園が整備され大台方面の景色が綺麗に見えます。

  駐車場から、枕木を利用した階段を2分ほど登ると鳥居と赤い玉を祀った小さな社とともに、感謝の丘と書かかれた小公園があります。


   紅葉の美しい大台山系が一望できる気持ちいいところです。

          高速道路の紀勢道が見えますね。

 開通の記念碑と東屋が立つ峠は、通行量がとても少なく、静かなところです。

  

  安全と願いをかなえてくださるお地蔵様が峠を見守ってくれてます。

  感謝の丘のいわれを書いた碑に、日の出の礼拝に絶好の場所と書かれています。ここからの紅葉と山々は、素晴らしいと言えます。

 麓の飯南町相津の集落は、山に囲まれ清流の流れる自然豊かなところです。

  モミジの紅葉と山茶花の色合いがいいですね。また、いい匂いがします。



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