石垣と藤棚の公園


  1588年(天正16年)蒲生氏郷公が四五百森(よいほのもり)に築城し平山城であった松坂城は、主郭部の全域を石垣で固めた壮大な城です。城内の構造は蒲生氏郷築城時以来大きく手を加える事なく使われ続けていたため、建物は台風で倒壊、飛ばされたり、荒廃して朽ちてしまいましたが、400年以上も前の石垣は立派に残されているのが嬉しいです。

  現在も石垣の保存状態は良好で、中世の自然石による「野面(のづら)積み」の石垣のほか、後世の修復で築かれた切石による「切り込みはぎ」など、さまざまな手法による石垣が残されています。日本の石垣を考える上で重要な遺構となっているほか、近世の城郭や政治、軍事を知る上で貴重な遺跡として、国の史跡に指定されることになったようです。

  石垣のそばに楽市楽座と豪商の町を刻んだ案内表示があります。

  松阪市の歴史民俗資料館が石垣と並んで公園内にあり、玄関前に江戸時代に一世風靡した松阪木綿を称える石碑があります。懐かしい郵便ポストや手押しポンプも展示されています。


  旧家やお寺、小学校の屋根にあった鬼瓦が並んでいます。


  松坂公園には、立派な藤棚があります。樹齢300年以上といわれていますが、以前に枝を切られたことから頑丈な柵がされています。遠足の子供たちが走り回るそばの藤は、3分くらいの咲き具合でGWの後半あたりが見頃となりそうです。


  樹齢二百余年もの愛知県弥富町の森津の藤を明治23年に株分けしてもらって、現在も美しい花を咲かせます。昔も今も、見る人を和ませていい気持ちにさせてくれます。


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