松坂・本町の江戸店持ち商人の家に生まれた。8歳から手習いを始め、謡曲や貝原益軒の著書などを貪欲に学ぶ。だが、「商いのすじにはうとくて、ただ書を読むことをのみ」好んだと述懐するように商売には関心がなかった。
十代後半の宣長は「京都」に憧れ、「和歌」への関心を深め、『源氏物語』を読み始める。
行く末を案じた母の勧めで医者となるため、1752年3月・23歳、京都に行く。
京都遊学は5年半に及び28歳で帰松して没する72歳まで町医者として働き続け生計をたてた。
帰郷してまもなく2月、宣長は松阪の歌会「嶺松院歌会」に入会し、同年夏、その会員らを対象に『源氏物語』の講釈を開始する。歌会と古典講釈は、72歳で没するまで継続し、学者としての宣長の活動拠点となる。
一方、この頃から、日本人本来の世界観や価値観を探求しようと考え、そのためには『古事記』解読が必要であると確信した。
本居宣長1
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