殿町 同心町あたり


  松阪市殿町の旧同心町界隈といわれるところは、老舗旅館の八千代さんから400mほど続く武家屋敷があったところで、今も槇垣にはさまれた美しい通りで、とても風情あるところです。

  松坂奉行などの公職についていた侍の住まいがあり、江戸中期の1700年頃に在住していた侍は、約100人ほどで、同心は61人、鳥見役が3人そして与力が5人だったようです。

  屋敷は、200?240坪あったようで、それぞれ槙垣で囲まれていました。

  かつて、槇は水を呼ぶといい、防火の役目をしたので生垣によく使われていたそうです。いかめしい土塀や木塀が続くのではなく、柔らかい表情の槇垣がいいですね。

 祭日に国旗を掲げる御家が少なくなりましたが、感謝の気持ちが感じられます。

  同心町は、和歌山街道と平行に続くお城に仕える武士たちが住んだ町でした。松阪は、1588年に蒲生氏郷が、城を築き町割りをして、城を中心とした武家屋敷と楽市楽座を開いて町屋をひろげ、寺町を作りお寺を集めるという城下町です。当時、織田信長が作り上げた安土城下を手本に考えたといわれています。

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御城番屋敷西7番


  松阪市殿町にある国の重要文化財「御城番屋敷」の間取りは、懐かしい雰囲気なんです!昔の家によく見られる、いわゆる「田の字型」の典型だといえます。
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  広々とした間取りに、表と裏に小さい庭があるので、窓を開けると解放感一杯になります。2011年4月に耐震工事と屋根瓦の一部張替えが終わり、安心の住まいになりました。


      キッチンにも新しいシンクが入っています。

     トイレはウオシュレットなんです。

    お風呂は、ガスで自動に沸かせるのがいいですね。

    西7番は、扉が昭和なんです。

   玄関の前の槇垣が、御城番屋敷を囲むように美しく整備されています。

      石畳と槇垣が風情を出してくれています。

   裏にも槇垣があるんです。

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御城番の長屋に住む


  430年前、蒲生氏郷公によって開府された松坂城は、江戸時代に、紀州徳川家の所管になり、御城番が置かれることになった。田辺からやってきた城づとめの武士達の組屋敷や長屋が、現代まで残り維持されているというのは、全国でも珍しいです。明治になり、武士階級が離散するなかにあって、合資会社苗秀社をつくり、ここに住んできた自分達の生活環境と気概を守り維持してきた人達が今も生活している一方、一部は、貸家として一般の方も時代を越えた生活をされています。

  

  1戸あたり、庭が表と裏にあり、正面5間、奥行5間、裏に幅1間の角屋が付く広さをもち、右手に通り土間、左手に田の字型に8畳2間、6畳2間を配し、式台を構えるのが基本ですが、各個それぞれに少しずつ違いがあり異なった趣となります。


  石畳の小道を挟んで東西に並んで建つ2棟の長屋は、現代のテラスハウスのようなつくりです。現在では建築時の20軒から、東棟10戸、西棟9戸が残っています。「松阪御城番屋敷」は「類例の少ない近世武士の長屋建築」として、平成16年に国の重要文化財に指定されました。
  「御城番屋敷」のような「田の字型」の間取りは、襖や障子によって、部屋と部屋が連続するため、必要に応じて、空間を大きくしたり、小さくしたりと自在に使いこなせることです。これは、部屋と部屋が壁で区切られた個室中心の間取りの家では、できないことです。こうして部屋と部屋や、部屋と廊下を連続させると、実際の面積よりも広々と感じられるというメリットもあります。


 庭でゆっくり日向ぼっこがいい季節になってきました。月見もいいですね。


  御城番屋敷の周りの散策は、季節の草花や香りが楽しめ、歴史を感じることのできる最高にリフレッシュできるところです。


  松阪出身の銀行家、原田二郎旧宅が復元され、もうすぐ見ることができます。

   殿町、同心町をめぐると松阪の風情を強く感じられますね。

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御城番の今


  全国的に現存例の少ない武士の組屋敷である松阪御城番の住まいは、小路を挟んで主家2棟からなる構成で残されているのは全国でもここだけです。主屋2棟・前庭・畑・南竜神社・土蔵よりなり、周囲に槇垣が巡らされて、江戸時代にタイムスリップします。

  主屋2棟は国の重要文化財に指定され、土蔵は県指定文化財(建造物)です。

  明治35年、松阪工業高校創立時、主屋西棟の北端2戸が仮教室として使用されたため、1戸が切り詰められて現在は東棟10戸、西棟9戸で住むことができ、そのうちの1戸を松阪市が借り受けて公開しています。。1戸あたり、正面5間、奥行5間、裏に幅1間の角屋が付く広さをもち、右手に通り土間、左手に田の字型に8畳2間、6畳2間を配し、式台を構える屋内です。




  御城番の先祖は、徳川家康に仕えた横須賀党の勇猛な武士団でした。横須賀党は、家康の息子・徳川頼宣のお付きとなり、紀伊の国へ。しかし、和歌山城勤めではなく、南の田辺の勤務となりました。当時、田辺城主は安藤家が務めており、「田辺与力」の名前で安藤家で仕事をしていたそうです。現代社会でいう「出向」ですね。
 安政2年(1855年)に、安藤家の家臣になるよう命令が下された田辺与力らは、徳川家直系でいたいと猛然と抗議しましたが、認められませんでした。そこで、藩士の身分を捨てて浪人になる道を選んだのです。
 仕事を辞めた彼らは、6年にも及ぶ浪人生活という苦渋の間、藩復帰のために様々な活動を続けた後、紀州徳川家の菩提寺である長保寺の住職・海弁僧正の支援により、松阪城の御城番として藩に復帰することとなりました。こうして御城番屋敷が建設されたのです。


 幕末の1863年、松坂城内三の丸に新築された屋敷に40石取り紀州藩士20人が松坂御城番職として、藩士および家族が住むことになりました。 しかし、時代の激動にもまれ武士として復帰して間もなく明治維新となり、後に士族授産で得た資産を元手に住民士族が合資会社苗秀社を設立し、以来維持管理にあたってきました。

  現在は、19戸中12戸が借家として貸し出され、一般の方も住んでいます。賃貸の張り紙のあるところもあリますので、興味のある方はご覧になってください。

   松阪市は、平成元年から、電柱の移転・共同受信によるテレビアンテナの撤去・中央の小路の石畳化工事を行うなど景観整備を行ってきました。多くの方が観光で訪れるようになりましたが、お土産、お休み処や情報センターなどの拠点を作って一層の観光客を受け入れていければ町の活性化につながる気がします。



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