6月朔日参り


  6月1日の日の出は、1年で一番早い夏至の頃ですから4時半頃には明るくなってきます。今日は、雲がありましたので、5時過ぎにやっと太陽が見え、修学旅行の小学生たち200人ほども歓声をあげていました。

  関西地方の小学校の修学旅行の宿泊の定番「二見が浦」は昔から変わらないようですね。今朝早起きした生徒たちは、1日中眠さと戦いながら勉強するのでしょう!

  今朝の伊勢神宮の外宮は、いつもより人が多くお参りにいらしていましたが、広い神宮苑なのでゆっくり本殿から多賀宮、土宮、風宮と清々しい空気をいっぱいすいながら歩けました。

  外宮の正式名は、豊受大神宮で(祭神は天照大御神の御饌都神(みけつかみ)である豊受大神である。祭神名の中の「ヶ」とは、食・饌のことであり、その名は豊かな食物の神であることを意味し、衣食住、ひいては産業全般の守護神として広く崇められています。
 
 豊受大神宮では、鎮座より現在まで1日も欠かすことなく、毎日朝夕の二度、大神をはじめとする神々に御饌を奉り、国家の安寧と皇室の弥栄を祈念する「日別朝夕大御饌祭(ひごとあさゆうおおみけさい)」と呼ばれる祭典が行われています。

  豊受大神宮のご鎮座は、皇大神宮の鎮座から500年後のことで、「大神宮諸雑事記」によると、478年雄略天皇の夢に天照大神が現れ「丹波の国、比冶の真名井(京都府天橋立)にいます、わが御饌都神の等由気大神をわがもとへ迎えたい」と仰せられたので、天皇の命により伊勢の山田の地に御饌殿を設けたといわれています。

  来年執り行われる第62回神宮式年遷宮を期して、社殿造営・御装束神宝奉製の技術を展観し、伊勢神宮が誇る技と心の精華を永く後世に伝える理念のもと「せんぐう館」が4月にオープンしました。

  お玉が池のほとりに建てられた「せんぐう館」の入口に朱色の舞台が造られ4月15日には、神宮楽師による奉祝舞楽が奏され大勢の人たちが奉祝舞楽を堪能していました。曲目は「胡飲酒(こんじゅ)と抜頭(ばとう)でした。

 外宮参拝と新しく造られた「せんぐう館」でパワーをいただきましょう。

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3月朔日参り


  雨上りで暖かい弥生3月の朔日参りは、二見が浦の夫婦岩にある皇居遥拝所で感謝と平和の願いを込めて、お参りを始めました。この先の沖合700mの海中に鎮まる猿田彦大神縁りの霊石と伝えられる「興玉神石(おきたましんせき)」が二見興玉神社のご神威です。 

  古来、伊勢神宮に参拝する者は、その前に二見浦で禊を行うのが慣わしでありました。現代、それに代わるものとして、二見興玉神社で無垢塩祓いを受けることで禊をしたのと同じとされ、浜参宮と言われます。。これに使う幣は、二見の海で採れる海草でできています。また、神宮式年遷宮のお木曳行事やお白石持ち行事への参加者は浜参宮を行う。

     朔日の社殿は、早朝から灯りが付けられています。

    古来より日の出の遥拝所とされてきた二見浦の夫婦岩。

  興玉神石が鎮まるところは、降臨する神の依り代であるといわれ、常世の国から神が寄りつく聖なる処であります。
この夫婦岩はこの興玉神石と日の出を遙拝する鳥居とみなされているのです。

    朝いちばんの二見の空気は、心を洗ってくれるようです。

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極寒の朔日参り 


  宇治橋の欄干に霜が降りて、橋が凍りついています。この冬一番の寒さです。

  天気は、快晴で真っ青な空ですが、夜中から明け方の放射冷却で最低気温はマイナス5度くらいだったようです。伊勢でこんなに冷えることは、滅多にないことのようです。

  内宮の手水舎の水は氷っていませんが、外宮の尺の一部がガリガリでした。

  二見興玉神社の参道は凍りついていたうえ、海からの風が肌を刺すように冷たかったです。こんな日に海に入って禊をしたらどうなるのか心配です。

    さすがにこう寒いと朔日でもお参りする人が少ないですね。

   夫婦岩のシルエットが冷たい空気に冷やされピリッと見えます。

    天岩戸にこもりたくなるような寒い朝です。

  皇居の遥拝所から見る夫婦岩は、沖にある興玉の鳥居の役目だそうです。

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神宮に樽酒奉納


  伊勢の神々には、古くから朝晩の食事が供えられてきました。伊勢神宮ではこれを日別朝夕大御饌祭(ひごとあさゆうおおみけのまつり)と呼び、伊勢の大神の御饌(みけ)は、豊受大神宮(外宮(げぐう))の御饌殿(みけでん)という御殿で供されます。大御神にそなえる大御饌(おおみけ)は、鯛、昆布、御飯、鰹節、野菜などがあり、専用の土器(かわらけ)には酒が入っています。

  10月1日は、酒の日です。三重県酒造組合は、伊勢神宮の御酒殿祭への参列を行い、菰樽(こもだる)を奉納しています。御酒殿祭は、内宮神楽殿東側に鎮座する御酒殿において執り行われ、神嘗祭で供える白酒(しろき)、黒酒(くろき)などの御料酒がうるわしく醸造できるように、あわせて全国の酒造業の繁栄を祈願するものです。

 昨年春に36才の全国最年少現職知事となった鈴木英敬三重県知事がしたためた奉納の看板。灘中、高から東大卒の秀才が書いた字はどうですか?

  全国数ある酒蔵の中よりただ一つ、神宮御料酒に選ばれているのが、灘の名酒、白鷹です。外宮の参道に並べられている樽は、壮観ですね。

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勾玉池とせんぐう館


  外宮、表参道の手水舎のそばに建設中の「せんぐう館」が、お正月の間だけ休憩舎の一部が解放されています。「せんぐう館」は、幅三十?奥行五十?の規模で、面積は約千六百五十平方?あり、参拝者用の休憩舎三百五十平方?も併設し、平成二十四年春の開館を予定しています。

  式年遷宮に対する歴史や文化の認識を深めてもらうため「せんぐう館」を建設しているようですが、外宮は、内宮に比べて参拝者が少なく、おかげ横丁などの観光施設がほとんどないため、参拝者の喚起が大きな目的と思われます。

  勾玉池は、外宮の神域にある原始池で、周囲を歩いて15分ほどです。文字通り勾玉の形をしているから勾玉池と言うようです。

  朱色の奉納舞台では、9月に仲秋の名月を愛で、全国から応募のあった短歌と俳句の秀作を神宮の楽師が冷泉流の古式により披講する典雅な催しを行います。そして披講につづき、管絃と神宮舞楽が奏行されます。

  「せんぐう館」には、外宮ご正殿の1/6の精巧なジオラマを配置し遷宮にまつわるご神宝や装束儀式の様子などを展示するそうで、入館に300円が必要です。

   お正月は、1月9日まで勾玉池をゆっくり見ることができます。

  「せんぐう館」は、春のオープンで神宮の新しい名所になるでしょう。


  手水舎の反対側に木柵により囲まれた樹齢約800年の「清盛楠(きよもりぐす)」があります。
 平清盛が政治の中枢に入り権力を行使していた頃、天皇陛下の勅使として何度か伊勢神宮に参拝をしていましたが、その時に入口に在ったクスノキの枝に、清盛が被る頭巾が引っかかり落ちたそうです。この事が気に障った清盛は、部下に枝を折る様に指示したとの事でした。伝承では木の枝とされていますが、実際には木の幹から切断して倒したと感じます。切り株から芽を出し、現在のいびつな形状に成ったと思われます。

  神宮神域で、個人名のつくものは珍しいです。今年のNHK大河ドラマの主人公、平清盛は『平家物語』の中の中心人物であり、一介の武士から太政大臣にまで上り詰めた成り上がり者として、栄華を謳歌した人間の没落と悲惨さの象徴です。
 伊勢平氏の棟梁の息子である、清盛は、三重県津市で生まれています。

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