復興したい岩内の瑞巌寺


  松阪インターチェンジから5分ほどの岩内町にある瑞巌寺は、開基したのが弘法大師と伝えられ、元は真言宗の寺でありましたが、中世の戦乱や大地震で荒廃していたのを、江戸中期に知恩院から来た門超上人という僧が復興し、以後、浄土宗の寺として栄えてきたところです。

  

  川の崖上に建てられた本堂内に仏さまの姿はなく、正面に丸い穴が開いていて、よく見ると対岸の崖にお顔だけが浮き出ている仏さまが拝めるのが、この仏さまこそ、寺が守る弘法大師作の十一面観音の姿なのです。


  境内の真ん中を流れる観音川、背後の山を観音岳と呼び、付近は古くから密教の修行の場となっていて滝行も行っていたようです。

       お堂の前には苔むした仏像がいらっしゃいます。

 可憐なお花が咲いています。とても幽霊なところなので花が映えます。

  お堂は、ぐるりと回ることができます。裏手は観音川の渓谷です。

   ところどころに案内が書かれています。ご住職がいなくなり、管理する者がなく荒廃してしまっているのを地元の方が復興目指してがんばっています。


         境内へ向かう参道に太鼓橋があります。


           橋の前にも仏像。

    弘法大師空海上人の小さいお堂が少し離れてあります。

  ご住職がいないので、ちょっと淋しく荒れた感じがするのが残念です。江戸時代に紀州藩主の一言で瑞巌寺名物となったという「紫蘇飯」があり、予約すれば食べれましたが、今はどうなんでしょうか。
 歴史と由緒ある瑞巌寺をこのまま朽ち果てさせるのは勿体ないことです。管理は大変なのでしょうけど文化財にも指定されているのですから、何とかしたいものです。

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岡寺さん四萬六千日


  四萬六千日とは、この日に参拝すると46,000日分(約126年分)参拝したことと同じ功徳があるというご縁日のことです。この数については「米一升分の米粒の数が46,000粒にあたり、一升と一生をかけた」など諸説ございますが、定説ではありません。
 毎年8月9日に浅草寺をはじめ全国で行われていますが、松阪では、岡寺山継承寺でお参りがあります。

  岡寺山継承寺は、聖武天皇42歳の厄年の際に、ここのご本尊如意輪観世音菩薩を宮中にお奉りし祈願した後、再びここに安置したことから厄除け観音としてこの地域の厄年の参拝者が多く訪れます。
 話しによると、洪水でお堂が流失した時、ご本尊を拾い上げた二見の漁師が弁財天のお告げを聞いて出家し継松法師となりお寺を再建したことから継松寺と名付けられるようになったようです。

  ご本尊「如意輪観音」は、厄除観音として親しまれている日本最古の厄除霊場です。毎年、3月の初午の日を中心に前後3日間にわたり「初午大祭」が行なわれます。振袖姿も美しい娘さんなど厄年に当たる男女をはじめ多くの参詣者が市内外からあり、松阪駅から職人町の通りは、露店が出て賑わいます。

  今年は、東北大震災でなくなった方の追悼と復興をお祈りして献火が行われていました。


   境内にはゆかた姿の人がいて、露店も出てにぎやかです。

    鈴の音市で好評だった石垣島の特産品も販売していました!

  四万六千日を年数になおすと百二十六年に近い年数になりますが、人間が心身に気をつけ、病気や事故にあわなければ、このぐらい長生きできるようです。きっと一生を無病息災で長寿を全うできるようにと願った数字なのでしょう。

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丹生山神宮寺


  丹生大師として親しまれている神宮寺の正式名称は、「女人高野丹生山神宮寺成就院」です。774年(宝亀5)光仁天皇の勅願により、空海(弘法大師)の師である勤操大徳によって開創された、真言宗山階派のお寺さんとなっています。

  大師堂の御本尊である「弘法大師像」は、御大師様四十二歳の厄年の自画像で、衆生の厄除と未来結縁のために弘法大師様自らが刻まれたと言われています。1200年もの時をえて無事に御鎮座され、今日なお霊験あらたかであられることは奇跡としかいようがないです。

  弘仁四年(813年)弘法大師様が伊勢神宮御参拝の途中、この地を訪れた際に来山され、御自分の師の開創された寺である事を知られ、「我は高野の聖地に、真言密教の根本道場を創立する誓願を建てているが、まずこの地に諸堂を建立し、庶民の苦悩を救わん」と言われ、弘仁六年(815年)に至って七堂伽藍(不動堂・鐘楼堂・閣魔堂・地蔵堂・観音堂・薬師堂・大師堂)を建立されました。

                「観音堂」


                 「薬師堂」

        白壁の登廊もある 大師堂へ上る階段。



  真言宗の総本山・高野山が女人禁制であったのに対し、神宮寺は女性の参詣を許されていたので、「女人高野」とも呼ばれ、多くの信者を集めてきた。丹生の街を見おろす雄大かつ壮大な山門をくぐり抜けると、境内には四季を通じて美しい風景が広がります。


  同じ敷地にある丹生神社は、神宮寺とは神仏習合の歴史を物語るものでしょう。真言宗の進出先に丹生神社が多いのは、弘法大師空海は丹生都批賣命の導きで、高野山に真言密教の根本道場を創建したとされますが、丹生の神は、真言宗の守護神として崇敬されているからでしょう。弘法大師と水銀の発掘をしていた丹生族は、密接の関係だったのでしょう。


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神宮寺に睡蓮


丹生大師の池に睡蓮が開き始めました。

  この池は、弘法大師様が自らの自画像を作るために、池に姿を映したことから、姿見の池と呼ばれています。

  これから睡蓮が次々に咲きだすとカメラを持った方たちが増えてくるようです。7月末ごろまでは楽しめそうです。
 睡蓮は、睡蓮科の多年草(宿根草)です。夏の水生植物の代表的なもので、耐寒性の温帯(耐寒)スイレンと非耐寒性の熱帯スイレンがあり、いずれも土の中の地下茎から長い茎を伸ばし、水面に葉や花を浮かべます。

  蓮と睡蓮は、全く別の科のようです。睡蓮は、家庭でもスイレン鉢や水をためておくことの出来る容器があれば簡単に栽培が出来ます。

  睡蓮は、世界各地に40種ちかくの原種があり、それらを元にたくさんの園芸品種が作られていて、栽培のさかんな欧米で作られた品種が、現在「温帯」「熱帯」種で、それぞれ100種以上存在しています。温帯スイレンには、赤、白、黄、ピンクの花があり、熱帯スイレンには他にも紫、青といった花があり、月下美人のように昼間ではなく夜の間に花を開く「夜咲き品種」もあるようです。これからの暑い時期は、水辺の睡蓮で涼をとり少しでも節電になればいいと思いますがいかがなものでしょうか。

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津 四天王寺


 津市で最も古いお寺である四天王寺は、聖徳太子が全国に建立した四つの四天王寺のうちの一つと言われています。
 境内から奈良時代の古瓦が出土され、建立されたのは7世紀頃という説もありますが、いずれにせよ1000年以上の歴史があり、平安時代ではこの地方で最も繁栄した寺院でしょう。

  建立後、荒廃と復興を繰り返していましたが、安濃津城主になった織田信包が再建し、その後も元和5年(1619年)に津城に入国した藤堂高虎が改築、二代目藩主高次が寛永14年(1637年)に寺領を寄進したことにより、寺勢をとりもどしました。


  最初に津城を築いたのは、織田信長の弟、信包(のぶかね)で、天正8年(1580)には、ほぼ城は完成していました。
 天正10年(1582)6月2日早朝、本能寺の変が起き、織田信長は天下統一の志半ばにして倒れましたので、信長、お市の方の母である土田御前は、彼らの弟である信包をたよって津に移り、1594年にこの地で亡くなり四天王寺に葬られました。

  お墓は、この先の一段高いところに位置しています。

  四天王寺は、曹洞宗の中本山で、座禅体験や法話を聞くことができます。境内には、信長生母、藤堂高虎夫人をはじめとした武将や学者、文人たちの墓や芭蕉文塚ほか、文学碑など貴重な文化財が多く残されています。

  津の俳人菊池二日坊が翁を偲んで建てた「芭蕉翁文塚」は、塚の形態をとった県下で一番古いものです。裏には芭蕉の略歴と由来が記されています。

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