誰も教えてくれない神社参拝のマナー


  年の瀬を迎え、年越し参りや初詣にお出かけになることが多くなると思います。礼儀作法を重んじる方と、そうでない方がいらっしゃいますが、せっかく幸せの門の前に立っているのですから、神社での最低限の礼儀、マナーやルールをよく知っていただき、大きなご利益やパワーを得て、開運されることを願っております。

  会社や自宅に挨拶もせずにいきなり来て『今年こそ商売繁盛、家内安全でありますように!』だとか、『神様、この願いを叶えて!』なんて言われたらどうでしょうか。
 神様は怒りはしませんが、礼儀やルールを守らない人には何事も無かった様に無視します。
 鳥居から先は、神域で神様のいらっしゃる神聖な場所です。深く一礼をしてから入りましょう。鳥居があるところでは、一礼をしてから進みましょう。帰りは、最後の鳥居で、深く一礼をしてください。

  参道を進む時は、参道の中央を進んではいけません。参道の中央は「正中」といい、神様が通る道なので、我々が通るところではないので端を歩くようにしましょう。
 神社は、観光地ではありませんから、大きな声を出したりお喋りしたりせず、静かに内観しながら歩くことをおすすめします。

 心身を清める禊ぎの意味がある手水舎での作法について覚えてください。
1.まず御手水舎前で軽い一礼をします。

2.次に柄杓に水を汲むのですが、ほとんどの方がザバザバ何度も汲んで行っていますが、作法としては全ての動作を一回分 の水で行うので、たっぷりと汲んでください。

3.まず柄杓を右手に持ち、左手を清める。

4.次に柄杓を左手に持ち替え、右手を清める。

5.再度右手に柄杓を持ち替え、柄杓から左手のひらに水を溜めて、その水で口を軽くすすいで口を清める。

6.すすいだ後、再び左手を清める。

*なかには柄杓に口を付けて行う方がいらっしゃいますが迷惑なのでやめましょう。

7.最後に柄杓の持っていた柄の部分を清めるために、柄杓を垂直に立てて残りの水を流し、手とともに柄の部分を
清め、丁重に柄杓を戻して一礼します。



  私たちは、普段目には見えない自分についた「罪・穢れ」を祓うために手や口を洗うのです。崇高な神様のおそばへ行かせていただくのですから、少しでも清めてから神様にご挨拶をしましょう。

  正宮へ着いたら、神様に参拝します。まず、軽く一礼して、鈴があれば力強く鳴らしましょう。神様に自分が来たことをこれで知らせるわけです。次に、お賽銭を入れるのですが、お金を投げつけるようなことがあってはいけませんので、静かにおくように入れます。
 すべての基本は『感謝』なのです。そして「二拝二拍手一拝」を行います。

  拝殿前で神様に手を合わせるときは、ど真ん中での参拝はできれば避けたいものです。神さまが通られる参道の真ん中を歩かないことと同じですね。


  ◆二拝
神様の前に立ちここに参らせていただけたことへの感謝を込めて行います。  
 神前に向かって、最敬礼を二回行います。背中を平らにして、腰を90度折ります。

◆二拍手
神様に出てきていただきます。
 自分の住所と名前を告げます。(自分がどこの誰だか神様に知っていただくためです。神様といえども、どこの誰だか分からない人物には対処のしようがないのです。神様は、とても人間的なところがあるようです。)
 両手を胸の高さで合わせ、肩幅程度に両手を開いて、拍手を二回打つ。両手をあわせ、揃えて祈念をこめてから手を下ろします。

◆一拝
最後に深くおじぎをします。
「では、失礼します。●●神社の神々の皆様もお幸せであられますように」心の中で願いましょう。本殿をあとにする時に、もう一度深く頭を下げます。

  私たちが生きているのはすべて神様のおかげです。

家があること、家族がいること、仕事があること、健康であることなど、すべて偶然ではありません。こうした感謝をせずにお願い事だけを神様に伝えることは神様に失礼にあたります。

神さまが喜ばれる参拝は、感謝と「世のため人のため神さまのためにがんばります」という誓いです。努力と実践の誓いが大切です。


  柏手をパンパンと両手を合わせる動作は陰陽を調和させ、自分自身と森羅万象が一体になる事を意味していますが、出雲大社と宇佐神宮は四拍手であったり神社によって作法が違う場合があります。

  年初めは大きな神社へ参拝に行く方も多いですが、まずはあなたの住んでいる地域を守る氏神様の神社へ行ってご挨拶をするようにしましょう。
  今年の残り少ない日々を無事平穏に過ごされ、来る年が平和で健やかな1年でありますことを心からお祈り申し上げます。

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