大村神社の境内にある、鐘楼の鐘面の鐘乳は虫が食ったように全て朽ち落ち、様々な伝説を現在に伝える大村神社の虫喰鐘は、日本三大奇鐘の一つと言われています。
春の彼岸から秋の彼岸までの間、鐘の下に虫糞が散乱していることからこの名がついたと言われます。
現在は除夜の鐘に撞かれ、請願成就の鐘として広く信仰を集めています。
鐘楼の前には、ご神木がそびえています。樹齢五百年ほどでしょうか。
「巳の神木」と書かれていて、木の根元の空洞に白蛇さんが祀られています。古くから白く見えると幸福がもたらせるといいます。
【御由緒】
大村神社は延喜式神名帳に載っている古寺で
主神の大村の神は 阿保氏族の始祖、息速別命と申し
今から凡そ二千年前の神様で、第十一代垂仁天皇の皇子
伊勢の神宮を奉鎮せられた倭姫命の弟君にあたられます。
当社が鎮座する阿保村は伊賀東南部に位置し
古くは奈良・京都から青山峠を越えて
伊勢・東国に抜ける街道の要所で阿保頓宮も置かれていました。
又、当社の鎮座する地は、息速別命の宮室が築かれていたと伝えられています。
大神様はこの地域一帯の開発・開拓された土地の守り神として
また、地震除災の大神様として古今御神意を発揮され
多くの人々の信仰をあつめています。
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神宮における式年遷宮は、飛鳥時代の天武天皇が定め、持統天皇の治世の690年に第1回が行われました。その後、戦国時代の120年以上に及ぶ中断や幾度かの延期などはあったものの約1300年にわたって行われている一大イベントです。6年ほど前から平成25年の62回の式年遷宮へ向けて行事が行われていて、現在、新社殿の建設が始まっています。
第62回式年遷宮にあたり、全国に奉賛会が設立され、募財が行われています。今回の総予算はなんと550億円。そのうち330億円は神宮司庁が20年かけて遷宮資金として積み立てたもので、残りの220億円を広く国民から募っています。前回の平成5年の時は、380億円だったので、170億円もUPしているのはどうしてなの?
この式年遷宮が20年に1回ということに深い意味があります。これは「伝統技術や儀式、その作法や芸能を守るための20年」なんです。たとえば宮大工さんが内宮などの正殿や御垣、鳥居なんかを作るのですが、これが100年に1回だと、前にやった人がいなくなって技の継承ができない。
20年ごとに遷宮すれば、20才代で初参加、40才代で中核人材として参加、そして60才代で頭領として正殿建築を率いる。これを繰り返すと1300年間、伝統の技、一流の技能が承継できるということでしょう。宮大工だけじゃなく、木細工や機織り、絹作り、料理方法などなど、内部の装飾や小物もすべて作り直すわけで、多種多様な伝統技術を絶やさず次の世代に伝えることができるのです。
式年遷宮が120年間も中断した時代がありました。室町時代の応仁の乱から戦国時代へ突入するころは、修理だけの仮遷宮を続けていたため、ご本殿の萱(かや)の屋根も腐り、千木、鰹木が地に落ち、祭典の奉仕も危険な状態になり内宮も外宮も荒廃していました。
荒れ果てた神宮の姿を見るに見かねた僧尼・清順(せいじゅん)が、1551年(天文20年)「大神様に申し訳ない、微力ながら私が勧進したい」と申し出ました。しかし、最初、神宮は、「ありがたい申し出だが、式年遷宮は朝廷がなさること、尼僧の力を借るわけには参らぬ」と断ったそうです。
結局は外宮が承諾し、内宮も協力を願うことになったので、尼僧たちは、か弱い女性の身で諸国を勧進して歩いたのです。その姿に感銘した天皇や織田・豊臣氏は「慶光院上人」の号や紫衣のほか、造営費3万石と、これからも先例のように遷宮をしなさいという朱印状を寄進した。これによって、遷宮は復活したのです。
造営に使用される御用材は全て檜(ひのき)で、総材積は約8,500立方メートル(檜1万本程度)。昔は、神宮林といわれる内宮の山のものを使い、その後、大台ケ原から切り出されていましたが、現在は、木曽の山々(長野県、岐阜県)の国有林から調達されています。
今回の第62回式年遷宮も既に心の込もった浄財が寄せられていますが、リーマンショックの経済不況や大震災のなか、氏神や神話も知らない世代に向かって遷宮の意義を説き、奉賛金を募るのは決して平易な道ではないことでしょう。未来の伊勢神宮に伝統が継がれていくことを願っています。
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