聖ポール天主堂は1602年に建てられたキリスト教会で、当時はマカオのキリスト教布教の中心でした。過去に3回の大火に見舞われ、1835年1月に起きた3回目の火災で現在見ることのできるファザードのみを残して焼け落ちてしまいました。
火災にも残った石造りのファザードは、精密な彫刻が施されており、400年以上の年月を経た現在でも、鮮明にその姿を楽しむことができます。聖ポール天主堂は、西洋建築ですが、東洋的な要素も多く取り込まれており、例えば、左右対称に配置された彫刻は、中国の古代建築の大きな特徴のひとつです。
ファザードには、多くの菊の花が彫り込まれており、これは、暗にキリシタンの迫害を逃れて日本からマカオにやってきた日本人の存在を示しているといわれています。
聖ポール天主堂の建設をした頃から日本では、キリシタン弾圧が始まり、島原の乱（天草四郎の乱）などで日本からの「キリシタン難民」がマカオへ逃げ、教会とともにマカオと深くつながったといわれています。
マカオと日本は非常に強い歴史的な糸でつながっているようです。
教会の前壁と68段の階段だけが残されました。
聖ポール教会はイエズス会によって1602年に創建された教会で、すぐ横にはアジア初の大学になった聖ポール大学がありました。日本に初めてキリスト教を広めた、フランシスコ・ザビエルの終焉の地が、マカオから珠海に入り２時間ほど行った上川島です。当時４６歳という若さで病に倒れました。彼の右腕上膊は、マカオに保存されています。
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