二つの阿射加神社


  松阪市には、二つの阿射加神社あり、伊勢自動車道の松阪ICからほど近い、阿坂山の麓にある小阿坂町と大阿坂町の自然豊かな森に囲まれた静かな所で、伊勢平野の松阪市街を見渡すことができます。

  『古事記』に猿田彦神が溺れたと伝える伊勢国阿邪訶の地であり、その時に化生した猿田彦神の3つの御魂である底度久御魂(そこどくみたま)・都夫多都御魂(つぶたつみたま)・阿和佐久御魂(あわさくみたま)が阿射加神社の祭神の3座であると唱え(『神名帳考証』)、本居宣長もこの説を襲って(『古事記伝』)以来、上述の「荒振る神」の様態と、「記紀」の天孫降臨段に記す猿田彦神のそれが重なり合うことから、当社祭神3座を猿田彦神の3つの御魂と見るのが有力な説となっており、現在の両阿射加神社も、祭神として猿田彦神・伊豆速布留神を掲げています。

  神話によると、サルタヒコが、阿耶訶(あざか。現在の三重県松阪市)というところへ行った時に、海で魚を獲(と)っていたところ、ヒラブ貝に手をはさまれて海の底に沈み、溺(おぼ)れてしまいました。そこで、そのサルタヒコの神が、海に沈んでいるときの名前を「底どく御魂(そこどくみたま)」といい、沈んで行く時に海水がぶつぶつと泡立つときに名前を「つぶ立つ御魂」といい、またその海の泡がはじけるときの名前を「あわ咲く御魂」と言いうようです。

   両阿射加神社とも、阿坂山の東麓の傾斜面に鎮座していますが、「上世ハ阿坂山上」にあつたのが応仁の乱の時北畠氏が「本社ヲ今ノ地ニ遷」したとする伝えもありますから、元々、阿坂山上の同じ場所にあったと思われます。何かの事情で移すときに、二つの神社に分かれたのでしょう。


  この写真は、大阿坂町の阿射加神社のものです。小阿坂町の方は、今年の1月6日のブログに使っていますのでご覧ください。

  古代からの森を神域にしているので、とても気のいいところです。


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