ちりめん細工・針山二種
この作品は古作を復元した作品ですが、古作の中にもほんとうにたくさんの針山を見ることが出来ます。
とにかく針はちりめん細工に必要欠くべからざるもので、その針を休める針山作りもまた楽しみの一つ。
ちりめん細工をこよなく愛してきた女性たちにとって、針山は大切な道具の一つであり、また見る、使う楽しみのある作品が多く作られてきたのだと思います。
この作品は私でも作り方の仕組みが分かりやすいのですが、出来上がったときの全体のバランスが悪いと、何となく見栄えがしません。
簡単そうに見える作品ほど、実は形を整えるのが難しそうです。
綿のつめ方一つにも、細やかな神経を使っておられるのだと思います。
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ちりめん細工・あじさい(紫陽花)袋
鬱陶しい梅雨空の小道に淡い色のアジサイの花を見つけると、何となく少しは気分が晴れやかになるような気がします。
ちりめん細工のあじさい袋はとても好きな作品で、毎年この時期になると必ずご紹介することにしています。
直径が10cm余りの作品ですが、一辺が2cm四方の布を何と264枚も縫いあわせてあるそうで、作るにはとても根気と忍耐が必要な作品です。
縫い合わせる小さな布の色柄の組み合わせによっては、全体の色合いが様々に変化して、見る者にとってはとても楽しみな作品です。
江戸時代から作り継がれてきたちりめん細工は、その細やかな技術と共に世界に誇る日本女性の伝統手芸です。
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ちりめん細工・にわとり袋
ちりめん細工の鶏袋です。
雄鶏と雌鳥のつがいが仲良く並んでします。
この作品を見るといつも思うのですが、鶏冠(とさか)とあごの部分の肉髯(にくぜん)が、いかにもにわとりらしさを表現していて、ちりめん細工の具象的作品の中でも最もその雰囲気を再現しているといえるでしょう。
鶏はもともと野鶏を家禽化したものですが、洋の東西を問わず「朝を呼ぶ鳥」のようです。
わが国ではその泣き声を「コケコッコー」と表現するのが一般的ですが、いったいいつごろからそのような表現をするようになったのでしょうか。
ところが同じような泣き声でも英語圏の国では「クックドゥードゥルドゥー」、フランス語では「ココリコ」と表現します。
鶏の鳴き声も人間の耳も同じはずですが、さてどうしてこのようになったのか、不思議で仕方がありません。
どうでもいい話をしてしまいましたが、鶏袋は鶏の表情をまったくうまく表現したちりめん細工の作品の一つだと思います。
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ちりめん細工・薔薇(ばら)袋
道を歩いていると、近くのお家の庭からとても甘ぁ~いバラの香りが漂って来る時期になりました。
ちりめん細工の薔薇袋は直径20cmほどの大きさで、巾着としての実用も兼ねる大きさです。
薔薇袋といっても、結構いろいろな形のものがあるそうで、この作品はかなり複雑な仕組みで作られています。
バラは品種改良によってたくさんの種類があるのと同じように、この袋の材料に使う色柄と作る人の個性によっても、様々な色合いのものが出来上がりそうです。
バラの花束を上から覗き込んだように見える薔薇袋の姿は、とても豪華に仕上げられています。
豪華さと清楚な雰囲気も兼ね備えたバラの花は、何か周りがパッと華やかになる雰囲気を持っています。
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ちりめん細工・市松人形
姉様人形が花嫁姿の女性をモデルにした人形なのに対して、市松人形は子供を題材にしたお人形です。
ちりめん細工の市松人形のお顔やボディーは、綿を詰めただけでできています。
ですから顔立ちや表情も、作品ごとに全くさまざまで、それが見るほうにとっては何とも楽しいポイントの一つ。
ふっくらした頬とおちょぼ口が、何ともかわいらしい表情を作り出しています。
市松人形はもともと「着せ替え人形」だったようですから、違う着物を着せてみたらどうか、などと想像してしまいます。
でも現実にはそう簡単にいかないようですから、見るものの願望だけでは作者におしかりを受けてしまいそうです。
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