ちりめん細工・分銅袋
今の時代の人たちが分銅という言葉をきくと、理科の実験で使った上皿天秤用の円筒形のものを思い出しませんか。
私の世代前後より少し上の方々は、かつて八百屋さんや肉屋さんで使われていた竿はかりに使う、釣鐘型の分銅を思い出す方もあるかと思います。
以前からこの分銅袋に使われている中心がくびれた形も、なぜ分銅というのだろうと不思議に思っていました。
あるときハッと気がつきました。昔習った銀行の地図記号と同じなんですね。
頭の鈍い私にしては、珍しいひらめきです。それから一生懸命調べました。
江戸時代銀貨は目方を測定してから通用価値を決めたので、その際に使われたのがこの形の後藤分銅といわれるものだったのです。
そして後藤分銅の形は江戸時代初期、すでに輸出の稼ぎ頭であった、蚕の繭を模った物だということです。驚きました。
ちりめん細工の古作には、今の時代には使われていない形状のものがデザインされいて、当時の生活の中で大切にされていたものがちゃんと取り入れられているんですね。
また新しい発見をさせていただきました。
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ちりめん細工・枡細工
くくり猿を閉じる前の小さな作品を、一合枡に入れておめでたい時に使う飾りにしたものです。
枡とちりめん細工は相性の良い組み合わせのようで、おめでたい時のお飾を作るのに良く使用されます。
やはり「益々繁盛」などの、「益々」という縁起を担ぐ言葉が重宝されて、枡の利用が広く浸透たものと思われます。
時には多産のねずみを添えることで、子孫繁栄を願うお飾にも変身します。
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ちりめん細工・折り鶴袋のつるし飾り
平和を祈念して作られた、折り鶴袋のつるし飾りです。
この折り鶴袋はきれいな姿にまとまらない、見かけよりも難しい作品のようです。
このつるし飾では個々の折り鶴袋がきれいに揃って、作品全体の出来栄えも見事です。
このところのコロナの蔓延で、最近では部屋に飾ってコロナ終息をお祈りされているそうです。
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ちりめん細工・宝袋
本来嫌われ者のネズミが宝袋と一緒になっているのは、昔からネズミは多産で子孫繁栄、家庭円満の象徴とされてきたからです。
また金運を呼ぶ動物として、出雲人形の俵ねずみなどのように、縁起物にも多く使われてきました。
ちりめん細工の世界では、古来より縁起物とされてきたものがたくさん作られていて、持つ、使う(用と美を兼ねた)ものにも縁起を担いだ作品が好まれています。
そう言えば具がたくさん詰った、油揚げで作った宝袋きんちゃくはそっくりな形をしていますね。
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ちりめん細工・からくり巾着
一見何の変哲もない巾着のように見え、いったいどこが「からくり」なのでしょうか。
そもそもからくりとは、「仕掛け」の意味合いだと思っていますが、さてこの巾着にどんな仕掛けがあるのか、実際のところはよく分かりません。
紐を絞ると形が変化して、少し変わった形になるところが、言ってみればからくりという名前の所以かもしれません。
いろいろと想像して作品を眺めさせていただけるのも、ちりめん細工の大きな醍醐味といっていいでしょう。
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