
ちりめん細工・松かさ袋
「まつかさ」(まつぼっくり、松ぼくり)を模した作品です。古作にも多く見受けることができます。
まつかさの鱗片を四角形で作り、下向きに下がる三角のヒダの部分を鱗片の先端に見立てた姿は、開いた状態のまつかさの特徴を実にうまく捉えています。
いつも申しあげているように、ちりめん細工古作を最初に考え出した人は、その観察力と作品に写すアイデアを見事にマッチさせています。
一つの作品を作り出すことは私が考えている以上に、物を見る目から始まって、それをいかにうまく作品に取り入れるかという智恵と技術が必要で、たいへんな作業の課程を経ることが必要なのかもしれません。
大きさも大小まちまちで実用、お飾りにもぴったり。派手な色合いからシックな彩のものまで、見た目も楽しませてくれる松かさ袋です。

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ちりめん細工・きつね袋
古作にもたくさん見ることのできる、キツネをモチーフにしたちりめん細工の作品。
どれも目が優しく薄く描かれていて、普段私たちが考えているキツネのイメージとは少し違った感じがします。
そして耳もどちらかというと垂れているものが多く、ピンと立ったものを余り見かけません。優しい雰囲気を持っています。
キツネを妖怪や精霊と考える国は多くあるようですが、わが国では文化や信仰の中に密接に関わり、いたずら好きの動物とらえられる反面、人々の信仰の中にも生きている不思議な動物です。
そして食べ物に始まっての日本中の民話や俗言の中にも現れ、文学や歌舞伎、狂言にまで登場するキツネは、日本人と切っても切れない縁と親しみがあるんですね。
ちりめん細工のきつね袋もそんな環境から生まれてきたことを考えると、優しくおっとりした表情であるのも、何となく納得できるかもしれません。

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ちりめん細工・這い子人形
みんなが大好きな這い子人形。ちょこんと右足を上げた姿が、なんともおてんばそうでとても可愛らしい表情を見せてくれます。
這い子人形には色々な種類があって、袋になっているもの、お人形のものなどなどそのバリエーションは数え切れません。
でもみんな可愛らしくて、どれもちりめん細工の定番中の定番。
古作の中にもたくさんの作品を見ることができ、そしてその種類もまったくさまざまです。
たぶんお子様やお孫様の普段のしぐさや様子を作品に写したものと考えますが、昔も今も子供の姿をうまく捉えた作品は、人の心をひきつけて離しません。

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ちりめん細工・柿袋
朝夕はめっきり涼しくなってきました。というより寒くなったと言ったほうがいいかもしれません。
いよいよそこまで本格的な秋がやって来ているようです。
自然の中はまだまだ夏の名残が幅を利かせていますが、ところどころで見かける柿の実は徐々に色合いが増して、こんなところにも本格的な秋の訪れが感じられますね。
ちりめん細工の柿袋は、秋の豊作を願うかのように、くくり猿がお尻の所に乗っかっています。
何となく柿だけでは物足りない部分にくくり猿を乗せ、季節感の演出と共に、私には収穫の無事を祈るお守りのように見えてきます。
アイデア一つで作品に色々な演出が加えられるところにも、ちりめん細工の楽しみが詰まっているようです。

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ちりめん細工・白い犬
1012年松阪ちりめんお細工物の会作品展の合作「お正月風景」の中で、庭先の縁台の上にちょこんと座っていた白い犬です。
少し眠いのか目を細めて今にもウトウトしそうな表情が、何ともいえなく可愛らしいのです。
さすがにちりめん細工の作品だけあって、犬の種類は和犬の紀州犬のようにも見えますが、さてどんな犬を想像して作られたものでしょうか。
この作者のつくる犬は顔だけでなく、ボディーの表情もたいへん豊かで、犬好きにはたまらない魅力です。
最も犬だけではなく、他の作品もたいへん美しく仕上げておられますので、犬だけが得意であるということではありません。
日当たりのいい廊下で気持ち良さそうに居眠りする犬の姿を見かける季節も、寒さが加わってくると共にもうそこまで近づいてきています。

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