ちりめん細工・旅茶碗袋
お茶道具の旅茶碗を入れる桜をかたどった袋です。たぶんお茶の世界では、「旅茶碗袋」という呼び名の袋はないと思います。
お茶の世界の話ですから、このあたりはその道を究めた方にお聞きするほうがよさそうです。
さてこのちりめん細工の旅茶碗袋、筒の中には茶筅と茶杓が入っていて、もちろん中には旅茶碗も入っています。
この袋を最初に考えた人はどんなことを考えてこの袋を作ったのでしょう。と、ついつい難しいことを考えてしまいます。
かつて教えを請うた先生のお話では、「お花見にポットとこの袋を下げて行って、桜の下でお茶を一服。これくらいに考えておいたほうが良いですよ。」と笑われて、なるほど納得。
お花見にこれを持って行って桜の下でお茶をちょうだいするのも、これまた風流この上ないお遊びですね。
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ちりめん細工・傘福(お花見)
つまみ細工の桜が満開になった傘福なのですが、どうも桜の下でお花見をするお姫様たちがメインになっているようです。
傘福というよりは、お花見風景と言ったほうがいいかも知れません。
そもそも江戸時代から作り継がれてきたちりめん細工は、日本人の遊び心がうまく溶け込んでその作品の種類を増やしてきました。
新しい作品を作り出す元になる発想の中には、遊び心を持った「一捻り」がうまく加えられ、それが時代を超えた新鮮さを保つ秘訣にもなって、今の時代にもちりめん細工を楽しむことができる大きな要因の一つなのです。
この傘福の下のお花見も、花を愛で春の喜びを謳歌するお姫様たちの楽しそうな姿が、傘に花が咲く姿を表現することによってうまく映し出されています。
これから新しい作品を考え出していくには、古典の本流を踏まえつつも、大胆な発想でうまく遊び心を表現していくことが最も大切なことかも知れません。
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ちりめん細工・七宝袋
日本の伝統文様七宝(繋ぎ)文様を袋に写した、江戸時代から続く古作の中でも代表的な袋物。
15cmほどの大きさがありますから、実用的小物入れにはピッタリで、赤と黒のコントラストは今様の雰囲気をも感じさせてくれます。
もともと七宝(しちほう)は仏教用語で七種の宝のこと。この七宝文様もそれに由来した有職文様だと考えられています。
中国から渡来した有職文様は平安時代から公家社会で隆盛を極めますが、この七宝(繋ぎ)文様に関しては、使い古した木綿を重ね縫い合わせる「刺し子」の定番文様としても、庶民の間に長く定着してきました。
特に赤の部分を細かな絞り布で縫い上げると、ふっくらしたグラマラス(魅力的)なフォルムがたまらない魅力になっています。
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ちりめん細工・桜袋とくくり猿のつるし飾り
そろそろこのあたりでも桜の開花が聞こえてくる頃になって来ました。
桜は満開になった頃が一番美しいのは当たり前ですが、開花が始まってポツリポツリと咲き始めた頃もまた違う風情があるものです。
少し寂しそうに見えるこのつるし飾りも、これから開花が進んで、どんどん美しくなっていく前の楽しみをイメージして作られたものだと考えています。
そしてはかない命とはいえ、毎年この時期に春の喜びをもたらしてくれる桜に、感謝の気持ちを捧げているようにも思えます。
作品に使ってある桜袋はちゃんと内袋も付いていて、実際に袋としても使うことができるようになっています。一般的にはつるし飾りに使う場合には、内袋は特に必要としません。
しかしどんな作品でも手を抜かないというのが、「松阪ちりめんお細工物の会」の大きな拘りになっているようです。
少し拡大した写真も加えます。

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ちりめん細工・猫の針山と指貫
ひょうきんでちょっと人を小ばかにしたような表情が、何ともたまらない魅力の猫の針山です。
もっとも目鼻ヒゲの置き方によって、お顔の表情がさまざまに変化しますから、そのあたりもこの作品の魅力なのでしょう。
布の耳を使って作る指貫を大きくしたものが針山の土台になっていますから、応用作品ということも出来ます。
材料を残さず隅々まで使うとこころなど、物を大切にするわが国の「もったいない」文化が、ここにも脈々と受け継がれているようです。
それにしても針山、指貫も自分オリジナルでお裁縫をするというのも、考えてみれば最高のオシャレですよね。
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