ちりめん細工・びっくり袋
見た目は普通の巾着。ところが紐を解いて開けてみると…..。
中から出てきたのは、何と唐人人形。
全く実用的な巾着とは考えにくい作品です。さてこんな巾着を考えて作った人の目的は？
あるお嬢さんが旅行から帰ってきて、ちりめん細工のお教室でお友達にお土産をあげることになりました。
「皆さぁ～ん、お土産ですよ～。」
『わぁー。ありがとう。じゃあ早速開けて見ましょう。・・・何これ！ああビックリしたぁ！』
というわけでびっくり袋という名前が付いたとか。きっと人を驚かせたかったのかも知れません。
名称の由来の真偽はさておき、よほど遊び心にたけた人が考えたものに違いありません。
しかもこの作品は明治以前に作られたと思われる古作も存在していて、当時はまだまだ珍しかった唐人の姿が、余計に驚きを増幅させる役割を担っています。
日本女性の遊び心が見事に表現された作品の一つです。
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ちりめん細工・あじさい袋
この地方でもアジサイが見頃になってきました。
あじさい袋はちりめん細工作品の中でも最も人気の高い作品ですから、この時期になると毎年ご紹介することにしています。
アジサイの花は「がく」の部分が変化したものと言われていますが、まあ難しい話はやめにして、様々な色の花がある上に、咲き始めから徐々に色合いが変化するところにも大きな魅力を持っています。
また一つの花にも様々な色が混じったものがありますから、花を見て作る人の見方次第では、この作品の色柄にも強くその人の感性が反映されることになると思われます。
何しろ2センチ四方の布を264枚縫い合わせて作るそうですから、手間ひま時間との戦いが生み出す作品であると同時に、組み合わせる色柄によって大きな変化を表現できるところにも、見る人作る人の人気が高い所以があるのでしょう。
この作品には夏用の絽ちりめんが使われています。
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ちりめん細工・着物姿の押し絵の傘福
押し絵にした着物姿と抱き猿を下げた傘福です。
押し絵の着物は前姿と後姿が違っていて、いかにも着物姿をうまく表現しています。
また着物姿で一番目に付くところはやっぱり袖底の部分。実に美しい袖底の丸みが、余計にこの押し絵を引き立てています。
間に入った抱き猿は、お猿が抱き合った姿を形にしたもの。地方によっては違う呼び名があるかもしれません。
さてこの傘福、いったい何を願って作られたのでしょうか。興味があるところです。
少し部分的に拡大した写真も加えておきます。
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ちりめん細工・薔薇（ばら）袋
あちこちから薔薇の便りが聞こえてくる時期になってきました。
薔薇は長期にわたって改良が加えられてきただけに、種類も多くて華やかさと良い香りが人々を魅了し、花の中でも特別な存在。
そして英国貴族家の家紋（記章など）にも使われていただけあって、高貴な花としての地位も確立されているようです。
そんな薔薇の花を表面にびっしり埋め込んだ、ちりめん細工の薔薇袋です。もちろん高さが20cm程度ですから、実用にも持って来いの大きさ。
しかも使うちりめんの色柄によって、無数の新種の薔薇が生まれるところなどは、やはり人気の高い作品たる所以です。
この作品製作もまた根気と集中の世界のようで、私のように適当な講釈を言っている人間には、作る方のご苦労は知る由もありません。
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ちりめん細工・花菖蒲袋
花菖蒲をモチーフに小さな袋にした作品です。
実はこの袋のことになると頭の中が混乱の渦になってしまって、いい年をしながらいつまでたっても覚えることができません。
アヤメ、ショウブ、ハナショウブにカキツバタが加わると、さらにお手上げです。よく分からなくてもいいものと決め込んでいます。
アヤメとショウブは漢字で書くとどちらも「菖蒲」。そもそもこれが混乱のおおもとのように思われます。
昔習ったことを思い出すと、菖蒲湯に使うショウブはアヤメ科の植物ではなくきれいな花も咲きません。従ってきれいな花の咲くアヤメ、ショウブ、ハナショウブ、カキツバタとは別物。
ただし、この四つの花の見分け方になると…..、はなはだ自信がありません。
ちりめん細工の花菖蒲袋とはまったく関係の話になってしまいました。申し訳ありません。
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