ちりめん細工・傘福(お花見)
つまみ細工の桜が満開になった傘福なのですが、どうも桜の下でお花見をするお姫様たちがメインになっているようです。
傘福というよりは、お花見風景と言ったほうがいいかも知れません。
そもそも江戸時代から作り継がれてきたちりめん細工は、日本人の遊び心がうまく溶け込んでその作品の種類を増やしてきました。
新しい作品を作り出す元になる発想の中には、遊び心を持った「一捻り」がうまく加えられ、それが時代を超えた新鮮さを保つ秘訣にもなって、今の時代にもちりめん細工を楽しむことができる大きな要因の一つなのです。
この傘福の下のお花見も、花を愛で春の喜びを謳歌するお姫様たちの楽しそうな姿が、傘に花が咲く姿を表現することによってうまく映し出されています。
これから新しい作品を考え出していくには、古典の本流を踏まえつつも、大胆な発想でうまく遊び心を表現していくことが最も大切なことかも知れません。
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松阪ちりめんお細工物の会作品展、ご来場ありがとうございました。
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ちりめん細工・七宝袋
日本の伝統文様七宝(繋ぎ)文様を袋に写した、江戸時代から続く古作の中でも代表的な袋物。
15cmほどの大きさがありますから、実用的小物入れにはピッタリで、赤と黒のコントラストは今様の雰囲気をも感じさせてくれます。
もともと七宝(しちほう)は仏教用語で七種の宝のこと。この七宝文様もそれに由来した有職文様だと考えられています。
中国から渡来した有職文様は平安時代から公家社会で隆盛を極めますが、この七宝(繋ぎ)文様に関しては、使い古した木綿を重ね縫い合わせる「刺し子」の定番文様としても、庶民の間に長く定着してきました。
特に赤の部分を細かな絞り布で縫い上げると、ふっくらしたグラマラス(魅力的)なフォルムがたまらない魅力になっています。
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ちりめん細工・桜袋とくくり猿のつるし飾り
そろそろこのあたりでも桜の開花が聞こえてくる頃になって来ました。
桜は満開になった頃が一番美しいのは当たり前ですが、開花が始まってポツリポツリと咲き始めた頃もまた違う風情があるものです。
少し寂しそうに見えるこのつるし飾りも、これから開花が進んで、どんどん美しくなっていく前の楽しみをイメージして作られたものだと考えています。
そしてはかない命とはいえ、毎年この時期に春の喜びをもたらしてくれる桜に、感謝の気持ちを捧げているようにも思えます。
作品に使ってある桜袋はちゃんと内袋も付いていて、実際に袋としても使うことができるようになっています。一般的にはつるし飾りに使う場合には、内袋は特に必要としません。
しかしどんな作品でも手を抜かないというのが、「松阪ちりめんお細工物の会」の大きな拘りになっているようです。
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ちりめん細工・猫の針山と指貫
ひょうきんでちょっと人を小ばかにしたような表情が、何ともたまらない魅力の猫の針山です。
もっとも目鼻ヒゲの置き方によって、お顔の表情がさまざまに変化しますから、そのあたりもこの作品の魅力なのでしょう。
布の耳を使って作る指貫を大きくしたものが針山の土台になっていますから、応用作品ということも出来ます。
材料を残さず隅々まで使うとこころなど、物を大切にするわが国の「もったいない」文化が、ここにも脈々と受け継がれているようです。
それにしても針山、指貫も自分オリジナルでお裁縫をするというのも、考えてみれば最高のオシャレですよね。
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松阪ちりめんお細工物の会」作品展には県内はもとより、県外からも大勢のお客様にご来場いただきました。
まことにありがたく、心より厚くお礼を申し上げます。
今年もご来場いただきましたお客様と、いろいろなお話をすることができました。
どなたも「根気良くこつこつ丁寧に縫う」ことのたいへんさと、作品が完成したときの喜びを熱く語っておられました。
また作品は結果としての出来栄えもさることながら、布選びに始まって縫い終わるまでの間、どれだけ愛情を注いだかによっても、作品の値打が違うものだというお話もお聞きしました。
まったくその通りだと思います。
全国各地でちりめん細工(ちりめんお細工物)の作品を作り続けておられる皆様方に、改めて敬意を表しますとともに大きな声援を送らせていただきたいと思います。
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