ちりめん細工・えび袋
これは車えびかあるいは伊勢えびに見えますが、触角の大きさから見れば、どちらかというと伊勢えびと思ったほうがよさそうです。
あなたならどうやっていただきますか?
おさしみ、それとも残酷焼?残った殻は伊勢えび汁がきっとうまいかも。
とれたてのえびのつややかで身が張って、いかにも新鮮そうな姿が伝わってくるえび袋。
おなかの部分の小さな袋には、いったい何を入れたのでしょうか。
目の付け方やからだの節など、えびの特徴をいかにもうまく捉えた、具象的なちりめん細工の代表的作品です。
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ちりめん細工・からくり巾着
梅雨に入ってから涼しく湿度も低くて、過ごしやすい日が続いています。
古くからたくさんの巾着類が作られていて、このからくり巾着もその古作の一つ。
一見何の変哲もない巾着のように見え、いったいどこが「からくり」なのでしょうか。
そもそもからくりとは、「仕掛け」の意味合いだと思っていますが、さてこの巾着にどんな仕掛けがあるのか、実際のところはよく分かりません。
紐を絞ると形が変化して、少し変わった形になるところが、言ってみればからくりという名前の所以かもしれません。
いろいろと想像して作品を眺めさせていただけるのも、ちりめん細工の大きな醍醐味といっていいでしょう。
内側が見えやすいように、少し口の部分をあけて写真を撮りました。
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ちりめん細工・にわとり袋(鶏袋)
つがいのオスとメスが仲良く並んでいるにわとり袋。かたちは様々なれど古作にもたくさん登場する作品です。
姿かたちがいかにも「にわとり」にピッタリで、しかも鶏冠(とさか)などが何となくニワトリを髣髴させてくれます。(大げさですね)
世界中にニワトリの仲間がどれほど存在するか分かりませんが、わが国ではその泣き声が「コケコッコー」、英語圏の国では「クックドゥードゥルドゥー」、フランス語では「ココリコ」と発音されて、家畜としてのニワトリは世界中で愛されていると思われます。
江戸時代に古作を作り始められて頃に、まさかこんなことを考えていた女性はいなかったと思われるだけに、姿かたちが同じようでも世界中でニワトリの泣き声が違うことを知ったら、当時の女性たちは腰を抜かすほど驚いたに違いありません。
この作品、形を整えるのが大変そうで、バランスよく作るのはかなり難しいようです。
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ちりめん細工・茶壷巾着
すでに梅雨入りした地方もあって、このあたりでもだんだんジメジメした日が続くようになってきました。
鬱陶しいこの時期にも、弊社の無地ちりめんや組紐をご注文いただけるところを見ると、皆様せっせっと作品作りに励んでおられるようで、何より喜ばしい限りです。
さてこの茶壷巾着、古くから作られてきた古作の一つですが、一般的な「茶壷」の形から連想するには少し無理があります。
この作品を最初に考えた人は、口が小さく上部が膨らんで、そして底にかけてなだらかに細くなっていく茶壷の特徴を、うまく捕らえてデザインしたと考えられます。
茶壷の形を曲線を主にした具象的な形に置き換えても、あまり面白い形の作品にはなりそうもありません。
曲線を直線でうまく表現して、むしろ「これは何だろう」と思わせたほうが、より作品の奥深さを出すことができると考えたのでしょう。
いずれにしても私の単純な頭ではとても考え付くことのできない、特別な創作力を持っておられたに違いありません。
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