ちりめん細工・籠底(かごぞこ)の巾着
初めて籠底の巾着の古作を拝見したのは、もう20年以上も前のことになります。
100年以上を経過したと思われるその作品は、色あせて形も少し崩れていましたが、作られた当時の新鮮さを彷彿させてくれる籠の部分の色合わせの妙が、何とも強く印象に残っています。
籠底は明治の末から大正にかけて流行したもので、底を竹や籐、フジのツルで編み、上の部分が布で作られた袋物です。
当時の女性たちもまた、流行を取り入れることには熱心だったようで、底の部分をちりめんなどの布に和紙などの芯を入れて、籠底の代わりに編んで作りはじめたのです。
この作品の底の部分は五角形に作られているのですが、古作の中には六角形のものも見受けられます。
作者によると六角形のものは、作るのがとても難しいとのことです。
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