見たところ立派な江戸ちりめんを使い、底の部分を筒状に組み立てた普通の巾着。
もっとも普通とはいえ、底の部分の作り方は古作にも見たことのない技法。
ところが底を見ると、ご覧の通り立派な押し絵が…..。
昔は巾着を机や畳の上に置くときに、底を下にして置くより底が見えるように寝かせて置いた習慣があったとか。
このことが本当かどうかはっきりは分かりませんが…..。
巾着の古作を拝見していると、この巾着のように底に凝ったものをたくさん見ることができます。
それが押し絵であったり、絵を描いたのと見間違うほどの切りばめ細工であったり、多種多様の技法を使って底を彩っています。
日本の文化が生んだ奥ゆかしさと、驚きとユーモアを兼ね備えた見事な作品では無いでしょうか。
こういったところも、ちりめん細工作品を拝見する楽しみの一つです。
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