この親指の先ほどの大きさの小袋を初めて拝見したときには、その美しい姿にハッと息を呑みました。
指貫の上に小さな袋を付けただけの作品なのですが、姿、彩の妙が誠に見事で、改めてちりめん細工作品の創作の発想に感心したしだいです。
この指貫は生地の「耳」だけを使ってつくられていて、少し大きくして猫の針山などにも応用されています。
「小さな袋を付けただけ」という失礼な表現をしてしまいましたが、見た目はまさにその通りながら、じっと見ていると作品の大きさには反比例する迫力を感じます。
単純ながら美の極致を窮めた作品の一つだと思っています。
「松阪ちりめんお細工物の会」作品展には、ご遠方からもたくさんのご来場をいただき、まことにありがとうございました。
会員一同心よりお礼を申し上げます。
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