ちりめん細工・うぐいす袋と梅袋(梅に鶯)
小さなうぐいすを模ったうぐいす袋と梅袋です。
2月の梅の時期になると、「梅鴬の候」という時候の挨拶として文章の冒頭にも使われて、梅の花にはうぐいすが集まってくるかの印象を持ちがちです。
しかし実際に梅の花の蜜を吸いに集まってくるうぐいすによく似た鳥はメジロで、警戒心の強いうぐいすは人目につくところには滅多に姿を現しません。
「梅に鴬」という故事ことわざは、良く似合っているものの例えであって、実際の光景を見て作り出された言葉では無さそうです。
一般的には滅多に無いことへの憧れ、願望を、日本人は「梅に鴬」という言葉に置き換えたものといわれています。
いずれにしても梅とうぐいすの取り合わせは、早春を代表する「付き物」であることに間違いなく、強い季節感を持っています。
昔の女性たちは寒い冬のこの時期にお琴の爪などを入れて、暖かい春を待ちわびる気分を表現していました。
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ちりめん細工・蛤のお雛様?
この作品は表題に困りました。
蛤細工のお雛様はよく見かけるのですが、押し絵のお雛様とお内裏様が仲良く蛤の中に入ったこの作品、何と名づければいいのでしょう。
ほんとうに小さな押し絵のお雛様のできばえの美しさもさることながら、最近ではこんなに大きなハマグリを見かけなくなってしまいました。
ただ実際にすこし離れたところから見れば、やはりハマグリの大きさより、この小さなお雛様の美しさ、かわいらしさがすごく引き立って見えます。
それにしても小さな押し絵を美しく作る技術には、ほとほと感心してしまいます。
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ちりめん細工・春駒(はるこま)
新年明けましておめでとうございます。
本年も下手な講釈にお付き合いのほどをお願い申し上げます。
春駒は下に車をつけて遊ぶ玩具のこと。
もともとは春になり、放し飼いをする馬のことが語源のようですが、全国的には踊りや神事にも、この名が付けられているものも多いようです。
それはさておき、鋭い中にも優しさの溢れる目が、若駒の清々しさと凛とした表情を作り出し、いかにも新年にご紹介する作品にはピッタリです。
下の部分が袋になっていますので、「春駒袋」と呼んだほうがいいのかも知れません。
本年も皆様方にとりましてより良き年になりますよう、心よりお祈り申し上げております。
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ちりめん細工・羽子板
年の瀬も押し詰まり、皆様方もお忙しくされている時期かと思います。
この羽子板は江戸時代に家庭で作られたと思われるものを、お正月のお飾用に復元した作品です。
おめでたい鯛車と羽子板を押絵にした図柄で、家庭でも作りやすく考えたと思われます。
更にこの復元作品を制作した作者は、下地にはまさに江戸時代のものと思われる「江戸ちりめん」を使い、貫禄のある作品を作り上げておられます。
最近ではお正月のお遊びに羽子板を使うことは滅多になくなりましたが、お飾用として絢爛豪華な羽子板が販売されています。
時折こんな質素ではあるけれどしっとり味わい深い羽子板も、お正月飾りにするとまた一味違った雰囲気が醸し出されそうです。
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